「耐えがたい違和感が…」未成年者を診察中に毒牙にかけた“わいせつ歯科医”の「卑劣な犯行」

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「治療のため」という言葉は、患者を蹂躙(じゅうりん)するための狡猾な罠(わな)だったーー。
静岡市駿河区の歯科医院内で、診療中の女性患者にわいせつな行為を繰り返していたとされる事件で、静岡地検は3月19日、18歳未満の少女に対する不同意わいせつや性的姿態撮影等処罰法違反、および児童ポルノ禁止法違反(製造)の罪で、同区小鹿の歯科医師、原田孝行被告(49)を静岡地裁に起訴した。
静岡地裁に提出された起訴状の内容は、歯科医師という立場を最大限に悪用した、計画的かつ執拗な犯行実態を浮き彫りにしていた。
「原田被告は’26年1月25日午前10時すぎ、自分のクリニックに矯正治療のためにやってきた被害者の女性を、いつものように診察台に横たわらせました。そこで被告が取った行動は、医療の目的とは程遠いものでした。患者の顔にタオルを被せて視界を完全に奪い、本来なら治療に全く必要のない行為を『診察の一環だ』と信じ込ませたんです」(地元テレビ局記者)
さらに、同記者は起訴状の内容を続ける。
「被告は『治療のために舌を動かさなきゃいけない』などと嘘の説明をして、被害者にそれがわいせつな行為ではないと思わせた。その上で、自分の性器をなめさせるという信じがたい暴挙に及んだ態様が、起訴状には克明に記されています。しかも、被告はこうした行為を密かに記録していたんです。第二の訴因では、被害者が18歳未満だと知りながら、スマホでその様子を隠し撮りし、動画データを保存していたことが明示された。これが児童ポルノの製造にあたると認定され、不同意わいせつ罪に加えて、性的姿態撮影等処罰法違反、そして児童ポルノ禁止法違反という重い罪に問われることになったわけです」
すでに起訴済みの20代女性患者への不同意わいせつ事案に続き、原田被告には今回、2回目となる追起訴がなされた。
起訴済みの内容について、地元紙記者はこう解説する。
「当局による逮捕・送検は、これまでに合わせて3回。そのうち1回目と2回目は、同一の20代女性(被害者Aさん)を執拗に狙った不同意わいせつ容疑でした。事態が動いたのは、診察中に募らせた『耐えがたい違和感』をAさんが家族に打ち明けたのがきっかけです。家族がすぐさま『娘が治療を装いわいせつな被害に遭ったようだ』と警察へ駆け込んだことで、水面下の犯行が露呈しました。いずれのケースも手口は同じで、院内にスタッフがいない時間帯を狙っており、被告が自ら『二人きりの密室』を周到に作り出していた疑いが濃厚です」
法廷で裁かれることとなったこの「歯科医師」は、かつて周囲からどのように見られていたのか。
原田被告は、地域歯科医師会の理事という重職も担っていた。会を代表する立場にあった男の裏切りに対し、静岡市歯科医師会の幹部は本サイトの取材に対し強い憤りと申し訳なさをにじませる。
「原田さんは3年前から今年の2月まで、会の理事を務めていました。会員総会で選ばれるこのポストで、彼は乳幼児健診の調整や障害者歯科センターとの連携など、非常に公共性の高い職務を担当していました。会での態度は一言で言えば『実直』そのもの。行政からの信頼も厚く、実績も申し分なかった。だからこそ、今でも信じられないという思いが強いのです」
しかし、この幹部が最も重く見ているのは、被告が「密室の禁忌」を熟知しながら破ったという点だ。
「歯科医師にとって『患者と二人きりの密室を作らない』というのは、修行の第一歩から骨の髄まで叩き込まれる鉄則です。それは患者さんを保護するためであり、同時に我々自身の身を守るための盾でもある。理事という重職にあった彼が、この基本中の基本を失念していたはずがありません。それを承知の上で、無抵抗な患者を毒牙にかけた。これは同じ歯科医師として、到底容認できることではありません」(同・幹部)
行政側も対応に追われている。被告が委員を務めていた市の審査会の担当者は、
「専門家として評価を仰いでいた立場として、極めて遺憾」
とし、事案を認知した直後から解任の手続きを急いでいるという。
被告の生い立ちを知る地元住民からも、驚きと失望の声が上がっている。小学校の同級生である女性に話を聞くと、被告を「地元の名家の秀才」として記憶していた。
「昔から目立たないけれど勉強ができる落ち着いた子でした。実家はこの辺りでは有名な地主で、お父さんも名士。裕福な家庭で育ち、中学からは私立の名門校へ進んだ、いわゆる『お坊ちゃん』でしたね。最近は高級外車を乗り回していて、羽振りはかなり良さそうに見えましたが……」
クリニックの近隣店舗で働く女性は違和感をこう証言する。
「去年の今ごろからですかね。休みのはずの日曜や水曜に、診療所へ入っていく人たちをよく見かけたんです。後から考えれば、その顔ぶれは若い女性ばかりでした。小学校の健診も担当していたわけですから、そこで虫歯があるとか何とか理由をつけて、スタッフのいない休日を狙って呼び出していたんじゃないか……。今、その光景を思い出すだけで、本当に薄気味悪いですよ」
現在、原田被告の自宅周辺には、重苦しい沈黙が漂っている。近隣住民は「関わりたくない」「話せることはない」と口を閉ざす。
歯科医師の知識と信頼を「欲望の道具」に変え、聖域である診察室を汚した原田被告。法廷では、踏みにじられた被害者の尊厳と、失墜した医療倫理の重さが問われる。卑劣な裏切りに対し、司法がいかなる審判を下すのか……。

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