3月22日、新春を祝うクルド人の祭り「ネウロズ」が、彼らの多くが住むさいたま市内で行われた。色鮮やかな民族衣装に身を包む男女が音楽に合わせて踊る平和な祭りだが、ここで撮影された”物騒な動画”が拡散している。
【現場写真】クルド人に暴行され、地面に倒れ込む河合ゆうすけ市議。日の丸の布を持った河合市議がロープの内側に入っていた様子
「拡散しているのは、埼玉県戸田市の河合ゆうすけ市議がクルド人男性に暴行された様子が映った動画です。ネウロズは毎年この時期に行われているクルド人が1年で最も大切にするお祭りで、この日も1000人以上が集まり陽気なダンスで春の訪れを祝っていた。
本来は平和な祭典ですが、クルド人は外国人排斥運動やヘイトなどの対象になることも多く、トラブルが起きる懸念もありました。例年通り、埼玉県警が警察官を配置して警戒にあたっていました」(全国紙社会部記者)
会場にはロープが張られ、入り口で入場者を限定するなど部外者が入ってこられないようにもしていたという。しかし祭りの参加者によると、「日の丸の布を持った河合市議が仲間と共にロープの内側に入ってきた」という。
「気づいたクルド人らからは”帰れコール”が沸きあがりました。周囲のクルド人はみんなで手を叩いてもいた。クルド人と支持者たちは河合市議らに詰め寄り、一度はロープ外に押し戻しました」
しかし河合市議らは挑発するように、ロープに沿って練り歩いたという。そうした後、”暴行事件”が発生したようだ。
「突然、水色の服を着てサングランスをした男性が河合市議に走り寄って、そのまま飛びかかって顎の辺りを殴ったんです。河合市議は顎を抑えるようにして倒れ込みました」(同前)
“暴行事件”が発生すると、あたりは異様な空気に包まれた。
「やめて!」と叫ぶ女性の声、「暴行!」と叫ぶ河合市議の取り巻きたち。そのほかにも、河合市議アンチの”しばき隊”と思われる日本人の怒号も多く飛び交っていたという。
「帰れオラー!」「河合! わざと!」「レイシスト! 差別主義者! 帰れ!」
クルド人は日本人には聞き慣れない奇声を上げたり、手を叩いたりしていたという。
「河合市議への暴行が呼び水になってしまったのか、クルド人をまとめる立場の人も警察官に液体のようなものをかけたり、足を出してしまったりしたようです。どんどんエスカレートしていくようでした」(前出・祭り参加者)
なぜこのような事が発生してしまったのだろうか。
「暴力は絶対に許されません。暴行してしまったクルド人が絶対に悪い。ただ、差別される日々でストレスが溜まっていた側面もあると思います。暴行した男性は解体業の社長をやっていますが、普段の素行はいい方です。温厚で、しっかりしている方ですよ。そんな人なのに、河合市議を見てヒートアップしてしまった。
河合市議が声をあげるようになって以降、街中や仕事でも嫌がらせのようなものが増えた、というのがクルド人の共通認識になっています」(同前)
この参加者はクルドの人々と接することもあり、彼らを取り巻く環境を間近でみることが多いという。
「今回、河合市議は数人の取り巻きを連れていましたが、それとは別に一般の人に紛れて少し離れたところに撮影者が数人いたようです。クルド人の中には『挑発に乗ってしまったんじゃないか』という人もいます。ただ、どんなに煽られたとしても、手を出してはいけない。彼はやってしまったことの罪を償うべきです」(同前)
河合市議はその後救急搬送され、全治1週間の診断書を公表している。埼玉県警は3月24日現在、クルド人ら関係者を聴取するなどして捜査を進めているという。