藤井聡太王将 「軽視した」と悔いた、攻め駒を攻めてきた永瀬拓矢九段の想定外構想

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藤井聡太王将(23)=名人など6冠=が永瀬拓矢九段(33)と対戦する第11期叡王戦本戦準決勝は5日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指され、先手・永瀬が107手で勝利した。藤井は永瀬に3連敗。現在挑戦を受ける第75期王将戦(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)7番勝負第3、4局に続く敗戦となった。永瀬に3連敗するのは21年11月から22年6月まで以来3年9カ月ぶり2度目。今年の8冠復帰は消滅。藤井は前期に続く準決勝敗退となった。
中盤、永瀬が選択した2筋から6筋への飛車の転回。さらに交換した銀を、囲いとは逆サイドの6筋へ放つ構想を藤井は「軽視した。その辺りで想定したよりも苦しい展開にしたかと思う」。永瀬の攻め駒が自陣ではなく、自身の攻め駒を攻めてくる構想を「想定外」とした。
同会館を訪れていた井田明宏五段(29)が藤井の変調を指摘したのが68手目、自王を銀冠で囲う3筋からの歩突き。「敵陣側ではなく、自陣から暴れていくのは珍しい。とはいえ、代わる手も難しいですが…」。まるで形勢を悲観したかのような勝負手以降、日本将棋連盟が運営する棋譜中継のAI評価値は一度も藤井サイドへ振れない「永瀬曲線」での敗退。「入王する可能性もある将棋。紛れが起きにくい将棋へ持って行けた、永瀬九段の快勝でした」と井田はその指し回しを称えた。
永瀬は次戦ですでに決勝進出した斎藤慎太郎八段(32)と対戦し、伊藤匠叡王(23)との5番勝負進出をかけて争う。藤井と永瀬の両者は中2日で8、9日、栃木県大田原市で指される王将戦第5局へ向かう。

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