衆院選で歴史的大勝を収めた高市早苗首相にしばらく死角はないように見えるが、現時点で官邸が警戒を強めているのが自民党内の派閥・グループ活動についてだという。
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現在、自民党は400人を超える大所帯となっている。東京地検特捜部による派閥裏金疑惑の捜査を受け、当時の岸田文雄首相が自ら率いる岸田派(宏池会)の解散を表明したのは2024年1月のこと。その後、麻生派(志公会)を除き他派閥は「右へならえ」で解散の道を選んだ。岸田氏の解散表明は自民党政治、ひいては日本の政治を陰に陽に支え、彩ってきた派閥の終焉と位置付けられた“事件”だったが、そこからわずか2年余で復活の声が聞こえてくるようになったということになる。
「派閥の解散後、自民党の党勢いかんにかかわらず仲良しグループが集まる動きは顕在化すると見られていました。その予想の通りですね」
と、政治部デスク。
旧派閥それぞれの動きをざっと見ておこう。
2月25日夜、旧安倍派の西村康稔選挙対策委員長と萩生田光一幹事長代行が都内で国政復帰を果たした元所属議員らと会食した。出席は約20人だった。
旧茂木派は同26日、国会内で集まり昼食を共にした。元所属議員ら約15人が集まった。旧二階派も同日、都内で新人を招いて会食。3月初旬にはボスだった二階俊博元幹事長も出席する会合を開く。この場に、国政復帰した武田良太元総務相も出席し、旧二階派を禅譲するセレモニーになるのではないかという話も出回っている。
同日、岸田氏が主催する夜の会合が開かれ、岸田内閣で官房副長官を務めた木原誠二、村井英樹両衆院議員らが集まった。新人12人が集まったことで注目を集めた。
旧岸田派に所属した林芳正総務相を総裁選で支持した議員は同日夜に会合を開いた。
「岸田氏の会合の方には総裁選で小泉進次郎防衛相を応援した面々がやって来て、林氏の方には小野寺五典税調会長らが出席しました。もともと旧岸田派は岸田、林両氏の頭目争い、と言うか派閥解散を宣言したはずの岸田氏が派閥の影響力にすがり続けるという状況が続いていました。派閥がないのに禅譲というのは変ですが、世代交代すべきだという声は根強くありますね」(同)
そういった不満の声が出ないのは党内で唯一残る麻生派で、新人11人が加入した。
「総勢60人にもなって、存在感という意味では党内最強です。旧安倍派の最盛期のように100人レベルを目指すとも噂されています。今年9月で86歳になる麻生太郎氏には常に引退説が取りざたされていますが、なかなか現実にならないまま10年弱が経過している印象です。首相をやってキングメーカーもやって今後何を目指すのか誰にも見えないところですが、もしかしたら首相時代に政権交代を許したことがトラウマになっていて、引退できない理由になっているのかもしれないですね」(同)
引退せず居座ることがトラウマの解消につながるのかはよくわからないのだが、国民にとってよくわからないのは、派閥が国政にいかなるメリットがあるというのか、という点かもしれない。派閥が解散して以降、国政が滞ったとか、政策が劣化したといった話は聞こえてこないのだ。
ただし、有象無象が当選したゆえに何らかの教育機関が必要だという見方はある。かつては派閥がそれを受け持っていた面があるのは事実だろう。
「66人も生まれた新人たち自身どこで何をすればまったくわからない状況で、一方でメディアも含めてどんなふうにアプローチしてよいのかわからず、その意味でグループ化が進むのはわかりやすくてありがたいという声は多いですね。高市氏は派閥をほぼ否定して首相に上り詰めましたからここ最近の動きには警戒感を強めています。“(裏金議員も含めて)当選してはいけない人が戻ってしまった”という空気もあるようです」(同)
新人議員に関しては、すでにスキャンダルめいた話もチラホラと報じられ始めている。何事にもプラスとマイナスはあるので、歴史的勝利の副作用に官邸は目を光らせる必要があるようだ。
デイリー新潮編集部