【川崎 さちえ】ワークマンが「2100万点」の販売目標を掲げたリカバリーウェア…愛用者だからこそ気づいた「3つの不安材料」

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2026年2月9日、ワークマンが「WORKMAN 2026春夏 新製品発表会 ~Colors&MEDiHEAL~」(以下、新製品発表会)を行いました。今回の主役といえるのは、リカバリーウェアの「メディヒール」。2025年秋冬物の売れ行きが好調だったこともあり、2026年も大きな目標を掲げました。
一方では、あまりの数字の大きさに「う~ん……」とネガティブな感情があったのも事実。この記事では目標の数字とともに、その裏にある懸念材料について、ワークマン愛用者である筆者が解説していきます。
ワークマンの新製品発表会では、専務取締役の土屋哲雄氏から2025年秋冬のメディヒールについて報告がありました。2025年9月1日~12月30日の販売点数は約319万点とのことですが、実は実売期間はたった20日。この短期間で爆発的に販売したものの、その影響はプラス面よりもマイナス面に出てしまいました。店舗にメディヒールの在庫がなくなってしまったのです。極度の品薄状態となり、顧客満足度が低下しました。
これではまずい!と、ワークマンは在庫がない状態をなくすため、2026年は生産数を劇的に増やすことを決断しています。準備するのは2100万点。これはつまり、2026年1月~12月の間に2100万点を売るということ。ここまで販売すれば、リカバリー業界では圧倒的なNo.1になれるのでしょう。ワークマンはそれを目指すことを宣言しました。
筆者は3年以上前からワークマンのメディヒールを使っています。他社製品との併用ですが、3年以上はメディヒールを追っていることになります。3年ほど前は、今ほどのブームではなく、お店に行ってもあまり売れ行きが芳しくない商品として並んでいたように思います。
当然ながら、「着るだけで疲労回復?」という疑いの目もありました。当時はリカバリーが今ほど浸透していなかったので、「胡散臭い」印象が強かったからです。そのため、このタイミングでは余裕を持って買うことができました。そして2025年秋冬に大ブームがやってきて品薄状態になり、2026年を迎えたことになります。
このブームに乗る形で2100万点を販売するとぶち上げたわけですが、愛用者としては懸念材料があるのでは? と思うのが正直なところです。
以下にその懸念点をあげていきます。
■店舗に在庫が充実しているのに、行っても品切れでしょ?と思っている人が多い
在庫切れを起こさないためにメディヒールの生産数を増やし流通させていることもあり、2026年2月の時点でメディヒールは店頭に並んでいました。少なくとも普段筆者が利用する2店舗では、在庫が充実しています。ユーザーとしてはありがたいですが、一方では「勢いがなくなった?」と感じてしまいました。
2025年秋冬では、店頭に並ぶと数日で完売していました。広告を出すと開店前から並んでいる店舗もあるほど。まさに争奪戦だったわけですが、今はその雰囲気がなく、個人的には「あれ?在庫があるぞ」と思ってしまったわけです。
ただ、この筆者の考えは間違っていたことがわかります。2月17日のワークマンのプレスリリースでは、2月10日の夏物発売開始以降、1週間で120万点を販売したと書かれています。これは2025年秋冬開始時の3倍の実績。そして発売初日には27万点を販売して過去最高を記録しています。
やはり販売に向けて在庫をしっかりと確保していたために、品切れを起こさずにいたのでしょう。製品の入荷計画としては、2月中旬に143万点、2月下旬に41万点としています。
売り逃しを避けることができ、2026年の春夏物に関しては、非常によいスタートダッシュだったことがわかります。
スタートダッシュはよかったものの、懸念材料は残ります。2025年秋冬物で店舗に行っても買えなかった人は、「どうせ売っていない」と思っていることも少なくありません。実際筆者の周りでも「だって売ってないじゃん」という知人が何人かいます。2026年は販売数を激増することを知らない人もいますから、「行っても買えないから、お店に行かない」となることも想像に難くありません。買おうとしないこと、最初から諦めていることも懸念材料として考えています。
■メディヒール以外のリカバリーウェアに興味を持つ人がいる可能性も無視できない
一般医療機器として届出がされている、いわゆるリカバリーウェアは、ワークマンのメディヒールだけではありません。例えばテンシャルやReD、ベネクスなどもあります。価格はメディヒールが最安値となっていますが(2026年2月時点)、一度メディヒールを使ってみると、次は違うメーカーのリカバリーウェアに興味がわくかもしれません。
というのも、メーカーによってデザインや素材、肌触りが異なるからです。例えばテンシャルではワンピースや、素材がガーゼのリカバリーウェアを販売しています。これらはメディヒールにはないタイプですから、視野を広げるとなれば異なるブランドに着目するのは不自然ではないでしょう。
■リカバリーウェア市場に他社が参入してきている
ワークマンはリカバリーウェアの業界でも最安値を打ち立てています。リカバリーウェア全体で見ると確かに業界最安値なのでしょうが、一部の商品を取り上げると、その地位も怪しくなりつつあります。
例えば、「レディースメディヒール(R)ルーム長袖シャツ」です。
比較的薄手の長袖で価格は1900円(税込)ですが、同じような生地の長袖シャツがニトリでも販売されています。「WOMENS 着るだけで疲労回復リカバリーウェア 長袖Tシャツ」は2026年1月下旬から販売されていますが、価格は1990円。ワークマンのメディヒールと90円しか違わないのです。
リカバリーウェアを一般医療機器として販売するにはきちんとした届出が必要になるものの、参入できない市場ではないのでしょう。ニトリの他にもカインズやイオンなどでも販売されていますから、より身近なお店で買えるようになりました。
現在ではワークマンのメディヒールと価格の違いはあるものの、この先違うメーカーがさらに安いリカバリーウェアを提供する可能性はゼロではないと思います。仮に2026年の間にそのようなリカバリーウェアが販売されたら、ワークマンが目標とする2100万点も少々危ういかもしれません。
非常に好調なスタートを切ったメディヒール。これまで述べたような懸念材料はあるものの、やはり2100万点を販売するという目標は達成してほしいと思っています。普段からワークマンのウェアやシューズを愛用し、その使い勝手の良さ、コスパの良さを実感しているからこそ、この偉業を達成してほしいですし、達成できるのはワークマン以外にないのでは? とさえ思っています。
リカバリーウェアは高くてなかなか買えないというイメージを壊し、リカバリーウェアを庶民のための疲労回復ウェアと位置付けたのは、ワークマンの功績が大きいのではないでしょうか。2026年の終わりに「何を言っていたんですかね、この人は」と、この記事を読んだワークマンのスタッフから言われたらいいなとも思っています。
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