飛行機の「ファイナルコールで乗れた」投稿が炎上 JALが明かす“出発10分前締切”の理由

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「ガンダしてファイナルコールで乗れました。いつも迷惑かけてごめんなさい」
東京大学大学院に在籍しているという女性がXに投稿した一文が、ネット上で大きな波紋を広げた。
「ファイナルコール」とは、所定の時刻までに飛行機に搭乗していない乗客に対して、航空会社が構内放送で速やかな搭乗を呼びかける最終案内のこと。
また、「ガンダ」は「ガンダンダッシュ」の略語で、「全力で走ること」「猛ダッシュする」という意味で用いられているようだ。
投稿には、飛行機の機内とみられる座席に座る女性の写真も添えられていた。
この投稿は瞬く間に拡散され、「飛行機好きからしたら最低の行為です」「こういう人は置いて行って良いですし、そもそも飛行機乗らないで欲しい」などと批判が集中し、炎上状態となった。
一方で、「ファイナルコール搭乗がそんなに迷惑かかるなんて知らなかった」「ファイナルコールという言葉を知らなかった」といった声もあった。
女性はその後、問題となった投稿を削除し、「自身の軽率な行動を深く反省しております」と謝罪している。
では、航空会社の立場から見て「ファイナルコールでの搭乗」は、どの程度の影響があるのだろうか。弁護士ドットコムニュースは日本航空(JAL)に取材した。
そもそも「ファイナルコール」に定義はあるのか。
JALは「『ファイナルコール』という用語については弊社で利用しているものではありません」と説明する。
そのうえで、次のように補足した。
「チェックイン締切・ご搭乗締め切りの最終のご案内をする際の英語のアナウンス文言内に、final call という語句が使用されています。お客さまに最終的な搭乗の呼びかけを行うために実施しています」

では、実際に何分前までなら搭乗できるのだろうか。
JALによると、「国際線・国内線ともに搭乗の締切時刻を出発時刻の10分前として設定し、時間に余裕を持って搭乗口へお越しいただくようにお願いしております」といい、「この時刻までにご通過いただけない場合はご搭乗いただけません」という。
最終案内後まで姿を見せない乗客がいる場合、どのような影響があるのか。JALによると、スタッフは次のような対応に追われるという。
・館内放送で客の呼び出し・搭乗口周辺での捜索・預け荷物の有無を確認し、搭載場所の確認・貨物室に積み込んだコンテナから手荷物を発見し、取りおろし・運航管理、運航、客室、整備など関係部門との情報共有・調整
利用客の目には見えにくいが、幅広い部門に影響が及ぶ。
「一人の遅れでも上記のような対応が発生するために搭乗便の遅延につながり、その後の便の遅延やそれ以外の便の遅延にもつながる可能性がございます。
そのため『時間に余裕を持ってお越しいただき』、搭乗の締切時刻を守っていただくことは安全・定時運航のためになくてはならない対応です」

航空券を予約する際、出発時刻や到着時刻を参考にしてどの便に乗るかを決めることは多い。
注意が必要なのは、出発時刻と搭乗時刻は別だという点だ。
JALは「出発時刻は飛行機が動き出す時刻」としたうえで「時間に余裕をもって搭乗口にお越しいただき、締切時刻を守ってご搭乗いただくことで、定時運航を実現できます」と説明する。
締切時間までに搭乗することが、運航の安全にもつながるという。
「遅延がないことで、お客さまの待ち時間がなく、その後のご予定への影響によるご不安を減らし、安心してご利用いただくことにつながります」
「ギリギリ間に合った」という体験は、個人にとっては武勇伝のように語られることもある。しかし、その裏では、多くのスタッフが動き回り、飛行機の安全な運航にも影響を与えることは知っておく必要があるだろう。

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