「自分の会社に出勤したつもりが、ゲートを入った後に会社ではないと気づき、引き返せなくなった」。女性は、家族も駆けつける中でのトレセン側の事情聴取にそう説明したという。
フェブラリーS・G1(2月22日、東京競馬場・ダート1600メートル)直前の2月20日、関西馬が調教を行う滋賀・栗東トレーニングセンター内へ一般の軽自動車が侵入。走行中に施設等と接触したようで、車の前方とサイドミラーは大きく破損していた。幸い人馬に被害はでなかったが、栗東トレーニングセンターの大野一直場長は「今回このような事案が発生したことを深くお詫びいたします。今後は入門管理をより厳格に行い、再発防止に努めます」とコメントした。
栗東トレーニングセンターによると、近隣企業に務める女性社員が運転する軽自動車は、トレセン入り口の凱(かちどき)門を午前7時22分に通過。勤務する企業の通行証で誤って入り、入り口の監視員もチェックを見逃していたため、本来は関係者以外立ち入り禁止のトレセンに、一般の車が入ってしまった。
その後、車は馬が調教を開始している時間帯の厩舎地区を迷走。入り組んでおり、制限速度が20キロに定められているトレセン内の厩舎横の馬道を40キロ近いスピードで「暴走」したという。そのままEコース脇にある坂路へ向かう3メートルほどの狭い側道に入り、迷走を続けた。
側道がなくなる、坂路下のゲート練習をするゾーン付近で乗り上げた状態となり、それ以上進めずストップ。近くにいた発走委員が対応したのは、車が進入した18分後の7時40分だった。
関係者を騒然とさせる事態となったが、今回は大きな被害がなかったことに加え、保安隊のチェックが甘かったために通過させてしまったことから、警察には被害届などは出さない方針だか、追い切り前後の馬がゆったりと歩く馬道を制限速度を超えたスピードで走ったことは、多くの人馬が危険な状況に陥る可能性があったことも否めない。