選挙期間中の「さなえちゃんクッキー」販売で波紋、販売店の対応分かれる 公選法違反の可能性は?

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衆議院選挙で激戦が繰り広げられる中、高市早苗首相が描かれた菓子「さなえちゃんクッキー」をめぐり、SNSで「舌戦」が起きている。
きっかけは、三重県内のコンビニで「さなえちゃんクッキー」が販売されていたとするXの投稿だった。
この投稿を受けて「実質的な選挙運動なのでは」「違法だと思う」といった批判が相次いだ。一方で、「(投稿は)店に対する営業妨害」など、販売店を擁護する声もあった。
こうした中、「さなえちゃんクッキー」など高市首相関連商品の企画・販売を手がける「絵図屋」(奈良市)と、販売店舗の一つであるファミリーマートが、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、それぞれの対応を明らかにした。
人気商品とされる「さなえちゃんクッキー」の行方は──。
「さなえちゃんクッキー」は、高市首相の地元・奈良市の印刷会社が運営する「絵図屋」が手がけた商品だ。包装紙には、シカにせんべいを差し出す高市首相のイラストが描かれ、クッキーにも似顔絵や「女性初総理大臣」といった文字が記されている。
絵図屋の担当者によると、「販売数に関してはお答えできませんが、例に見ない勢いで好調に販売しております」という。
店舗やオンラインストアでは、こうした高市首相関連のグッズが並び、売り切れている商品もある。
絵図屋の担当者は、選挙期間中の販売であっても「今のところ、販売を差し控える予定はございません」と説明している。
議論の対象となった「さなえちゃんクッキー」は、衆議院や国会関連のグッズを扱うオンラインストア「ショップ永田町」でも販売されている。
同サイトでは、選挙期間中も高市首相の似顔絵入りのペンやタオルなど、関連グッズが販売されている状態だ。高市首相以外の与党政治家のグッズも取り扱っている。
一方、問題の発端となったXの投稿は1月28日で、公示の翌日に投稿されたものだった。投稿によると、近鉄名張駅のファミリーマートで特設台が設けられ、「さなえちゃんクッキー」が販売されていたという。
これに対し、SNSでは多くの批判が寄せられた。
ファミリーマートの広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「当該商品は、近畿地方の一部店舗での取り扱い商品であり、現在、該当商品の取り扱いは一時休止しております」と回答した。一時休止の理由については明らかにしていない。
今回のケースでは、通常の商取引として販売を継続する姿勢を示す事業者がある一方で、ファミリーマートは取り扱いを一時休止しており、対応が分かれる形となった。
SNS上では、特定の候補者に関連する商品を選挙期間中に販売することについて、「公正さを欠くのではないか」「公職選挙法に違反しないのか」といった疑問の声も上がっている。
公職選挙法は「何人も、選挙運動に関し、いかなる名義をもつてするを問わず、飲食物(湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子を除く。)を提供することができない」(139条)としている。
ただし、これは主に無償配布などを想定した規定であり、通常の商取引が直ちに違法となるわけではないとされる。無償配布や投票依頼と結びついた販売、候補者陣営と連動した展開などの場合には、違法な選挙運動と評価される可能性がある。
奈良県選挙管理委員会は、弁護士ドットコムニュースの取材に「個別の行為に対して、違反かどうかの判断をする立場にない」と回答した。

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