【佐野 正弘】アルファードだけじゃない!iPhoneの「残クレ」購入が急増中…原因はスマホ価格高騰ではなかった

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円安などが影響してさまざまなモノやサービスの値段が上がり続けている昨今、スマートフォンもその例外ではない。円安に加えスマートフォン自体の性能向上が進んだこともあって、年々価格が著しく高騰している。
それだけにスマートフォンの買い方にも変化が出てきており、現在ではスマートフォンを一括払いで購入する人は稀だ。多くの人は、俗に「端末購入プログラム」と呼ばれる仕組みを用いて購入しているのではないだろうか。
端末購入プログラムとは、自動車でいうところの「残価設定クレジット」に近い割賦販売の仕組み。スマートフォンを長期間の分割払いで購入し、一定期間後に返却すると残りの支払いが不要、あるいは軽減されるが、もちろん返却せずに料金を支払い続けて利用することも可能だ。
自動車の残価設定クレジットと大きく異なるのは、分割払いの期間と返却時期である。スマートフォンは製品サイクルの早いIT機器ということもあって、端末購入プログラムの多くは48ヵ月の分割払いを前提に残価が設定され、2年、あるいは1年後にスマートフォンを返却することで残価分の支払いが不要になるよう設計されていることが多い。
その端末購入プログラムを提供しているのは携帯4社で、NTTドコモの「いつでもカエドキプログラム」やKDDIの「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクの「新トクするサポート+」や楽天モバイルの「楽天モバイル買い替え超トクプログラム」がそれに当たる。
米アップルの「iPhone」のように、人気は高いが10万円を超えることが多い高額なスマートフォンを、返却する必要があるとはいえ毎月数千円程度と少ない金額で利用できるだけあって、多くの人が利用しているようだ。
ただ、携帯電話会社が端末購入プログラム、さらに言えば端末販売に割賦を用いるようになったのは、実はスマートフォンの価格高騰が直接影響している訳ではない。
そもそも携帯電話会社のビジネスで最も重要なのは毎月通信料を支払うユーザーを増やすことで、スマートフォンなどの端末販売は、その契約を獲得するための“武器”に過ぎないからだ。
それゆえスマートフォン以前の携帯電話時代から、新規契約獲得のため携帯電話端末は大幅に値引き、1円、0円といった価格で販売するのが一般的だった。そこに割賦販売を導入したのは現在のソフトバンクで、同社が英ボーダフォンの日本法人だった2006年に導入した「スーパーボーナス」がそれに当たる。
これは24ヵ月の分割払いで携帯電話端末を購入し、分割払いした分の金額と同じ額を毎月の携帯電話料金から割り引く仕組み。当時、ボーダフォン日本法人を巨額で買収したばかりで、資金的に厳しい状況にあったソフトバンクは、従来のように端末代を一度に値引くのが難しかったことからあえて割賦販売を導入し、端末代を分割で値引く手法を編み出した訳だ。
この仕組みはNTTドコモやKDDIも踏襲して一般化していくことになるのだが、そこには業界の監督官庁である総務省が非常に大きく影響している。
総務省は携帯電話端末の一括価格を大幅に値引く従来の販売手法が、企業体力のある大手企業しか実現できず競争を阻害するとして長年問題視。携帯各社にその改善を求めた結果、割引額が少なくても消費者の負担が抑えられる割賦販売が定着するに至った訳だ。
そしてこの割賦販売に、現在の端末購入プログラムに近い仕組みを取り入れたのが、KDDIが2015年に提供した「アップグレードプログラム」である。
これは端末を24ヵ月でスマートフォンなどを購入し、月額料金を支払うことで、19ヵ月目以降に新しい機種に買い替えて端末を返却すると古い端末の残債の支払いが不要になるというもの。2017年の「アップグレードプログラムEX」では分割払い期間が48ヵ月、返却時期も25ヵ月目以降と、より現在の端末購入プログラムに近いものとなっている。
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【つづきを読む】日本人が貧しくなったから?スマホ版「残クレ」が広がりつつある本当の理由《iPhoneは「買う」から「返す」時代へ》
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