陸の孤島か令和の宝島か 晴海の畫手村マンション疆焦筌筺爾留震新茲瓩襪里蓮

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東京五輪・パラリンピックの選手村を改修したマンション「晴海フラッグ(HARUMI FLAG)」がとんでもない争奪戦になっている。銀座や築地などがある東京・中央区に位置するブランド地区ながらも“激安価格”に映り、値上がり間違いなしと購入希望者が殺到。売り抜けようとする投資マネーも流れ込んで、100倍を超える倍率の物件もあるが、そんなバラ色の話はあるのか――。
空前の盛り上がりを見せている晴海フラッグは、先月の販売分では、約7000万円の物件に最高倍率191倍の大激戦となった。
同マンションは三井不動産や住友不動産、三菱地所など11社が手掛け、分譲戸数4145戸、総戸数5632戸の巨大プロジェクト。昨年、東京五輪・パラリンピックの選手村に使用され、大会後はフルリフォームされ、販売も再開されたが、回を重ねるごとに人気となっているのだ。物件によって異なるが、坪単価は平均で300万円程度ともいわれる。
「榊マンション市場研究所」主宰の榊淳司氏は「東京のマンション価格は上がり続けていて、中でも中央区のアドレス(住所)で、坪305万円はあり得ない。日本橋だと坪500万、八丁堀や新富町だと坪400万より下がることはない。勝どきの中古でも坪400万はする。来年は人気のタワー棟の売り出しも始まり、臨海地下鉄構想も発表されたので、さらに倍率は上がる」と指摘する。
東京都の小池百合子知事は先月末、東京駅から銀座、築地、勝どき、晴海、豊洲市場、有明までを結ぶ臨海地下鉄計画(2030年ごろ着工、40年ごろ開業予定)を発表した。晴海フラッグの最寄り駅は現在、都営地下鉄大江戸線の勝どき駅で、徒歩16分もかかり、“陸の孤島”なのがネックとされていたが、新駅が完成すれば徒歩10分前後になり、解消される。
ただ、落とし穴がないわけではない。榊氏は「申し込みしている人の半分くらいはほとんどセミプロの転売ヤーで、7000万円で買って、8500万円ぐらいで売る計算でしょう。24年に引き渡しで、すぐ売り抜けたいから何百戸と売りが出るはず。それで売れるハズがない。そのころには住宅ローン金利も上がって、住宅市場は一気に冷え込んでいてもおかしくない。値上がるどころか値崩れする可能性もある」と警告する。
地下鉄の話もあって、明るい未来が待っているのではないのか…。「地下鉄の計画を発表しただけで、正式決定でもなく、この手は遅れるのがざら。40年開通なら、晴海フラッグもその時には築20年となり、育てている子供も成人する。住民からすれば、あてになる話ではない」(同)
五輪の1年延期で入居が遅れる見通しになったとして、購入者が損害賠償を求めた裁判では15日、東京地裁は訴えを却下した。当初の引き渡し期限は来年3月だった。思えば購入者や購入希望者はコロナ禍の際に小池氏がマンションの病棟化計画をぶち上げ、地獄の底に落とされれば、五輪・パラでは各国選手からロケーションを絶賛され一転、人気化するなど、振り回され続けてきた。
「私の知り合いの投資家さんも複数口申し込んだものの外れ、残念がっていたが、良かったんじゃないかと言っておきました。私からすれば地獄の未来が待っているくらいの感覚でいる」(同) 果たして、晴海フラッグは宝の島なのか、それとも陸の孤島なのか――。築地市場の豊洲移転、東京五輪の混乱、夢の地下鉄計画…と臨海部再開発のドタバタはまだまだ続く。

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