「キスしてとせがまれ…」和歌山県警元幹部の“ソープ無料タカり”、接客した女性従業員が証言「『俺は社長の知り合いなんや』と威張られた」“依願退職”の幕引きは適切だったのか

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和歌山県警の元幹部男性・X氏が、和歌山市内にある老舗ソープランド「エンペラー」を何度も無料で利用していた–そんな衝撃の内容を「週刊文春」が報じたのは、今年9月のことだった。
【写真を見る】ソープランドから笑顔で出てくる和歌山県警元幹部のX氏。処分は適当なのか
「エンペラー」の元経営者・Aさんは今年5月に売春防止法違反(場所の提供)の容疑で逮捕され、10月に執行猶予付きの有罪判決を受けている。一方、Aさんは、「X氏は警察権限をチラつかせて、100回近く執拗に店を無料で利用した」と憤り主張するのだ。
X氏は今年6月、「規制対象業者との私的な交際」を理由に本部長訓戒を受け、依願退職している。11月にはスカウトグループに捜査情報を漏洩したとして警視庁暴力団対策課の警部補が逮捕され、同氏は12月末に懲戒免職処分となったが、X氏への処分は果たして適切だったのか。Aさんが憤るX氏の”タカリ”の内容とは–。【前後編の後編。前編から読む】
2016年に「エンペラー」の経営を前任者から引き継いだAさんは、前任者にセッティングされた2017年の会食でX氏と出会った。その後から2025年に店が摘発されるまでおよそ8年間、X氏は「エンペラー」を無料利用し続けてきたという。
2022年ごろ、X氏の接客をしたエンペラーの従業員女性が語る。
「全部指名されて、少なくとも3回接客をしました。Xさんは私には警察官であることは伏せていて、Aさんに聞かされるまでは知りませんでした。『俺は社長の知り合いなんや』と得意げに威張っていましたね。
『背が低くて可愛いねえ』と褒められましたが、こっちは嫌がっているのに毎回『キスしてキスして』とせがんできて……しかも毎回『お店を通さずに2人で会えないかい?』とLINE交換をしつこく要求されました。私には変わらず店からお金が入っていたので、X氏が無料で使用していたなんて、想像もしませんでした……」
2019年ごろから、X氏はAさんにLINEで「エンペラー」の利用を迫るようになったという。Aさんが語る。
「2021年ごろから私も、何度か利用を断ったり、LINEに気付かないフリをしたりしました。その時はLINEでは『大丈夫、いいよ、気にしてない』などと入ってくるのですが、会って飲んだ時には『あんたはウチといい付き合いをするのがイチバンだよ、わかる?』など、権限をチラつかされたのを覚えています。
Aさんがお金を支払うそぶりは全くなく、さらに別の飲食店で私のボトルを飲むこともあり、完全に立場につけ込まれ”タカられる”状況だったんです」
X氏は後ろめたい気持ちがあったのか、たびたび「LINEは消しているか?」とAさんに連絡を入れていたという。
その後、「エンペラー」は2025年5月に摘発され、Aさんは逮捕されることになる。Aさんが続ける。
「私は2024年ごろから、関わりのある違法性の高い”スカウト集団”との関係を切ろうと、X氏に相談していた。その中でどうしてもスカウト集団・Sと契約が切れず、2025年5月にも、Sから受けた嫌がらせについてX氏に相談すると『所轄に相談するといい』『来年は俺が店の所轄の署長になれると思う』などというので、生活安全課に相談に行ったんです。
その時には『近くスカウト関連で摘発があるから』とも話していたんですが、それがまさかウチだとは……散々無料でソープを利用していたのに、裏切られた気持ちでした。Sも同時期に摘発を受けていました」
Aさんは逮捕後の取り調べで、X氏が無料で「エンペラー」を何度も利用していたことを証言したという。その後、6月にAさんが保釈されるが、「X氏が訓戒を受け依願退職した」というネットニュースを見たのはその1週間後のことだった。
「X氏の無料利用について、検事さんは『本当であれば大変なこと。警察に伝えて調べさせるので、事件となれば証拠の提出をお願いしたい』と言っていたので、調べが進むと思っていたのですが……X氏が依願退職したという内容を見て、和歌山県警は退職を認めることで幕引きを図ったのだと察しました」
11月中旬、記者がX氏に声をかけると名刺を受け取ったが、「エンペラーの件について」と聞くや否や「ああ、もう……」と手を横に振り、記者に目を向けることはなかった。
和歌山県警には、信頼の回復が求められる。
(了。前編から読む)

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