「かぜを引いているときでも入浴してよい」「かぜを引いているときは入浴してはいけない」。あなたはどちらが正解だと思うだろうか? 『入浴 それは、世界一簡単な健康習慣』の著者で、温泉療法専門医の早坂信哉氏が、最新研究が導き出した答えを紹介する。
どちらが正解だと思いますか?
A:かぜを引いているときでも入浴してよい
B:かぜを引いているときは入浴してはいけない
聞いてみると、若い方はA、年齢が高い方ほどBを選ぶ傾向があります。実は、これについては医学界でもまだ、正解が出ていないのです。ただ、私を含め、多くの医師が「A:かぜを引いているときでも入浴してよい」という立場です。
確かに以前は、「かぜのときは入浴してはいけない」と患者さんに伝えていた医師が多かった印象です。それはおそらく、「当時の住宅事情」によるものだったと私は推測しています。
今のように断熱効果の高い住宅ではありませんでしたから、入浴そのものでかぜが悪化するわけではなく、入浴後に部屋のすきま風などで「湯冷め」することが問題だったのだと思います。
ということで、今はかぜを引いているときでも入浴を避ける必要はなく、むしろ入浴したほうがよいと考えています。
かぜのウイルスは高温や湿気に弱いため、入浴することで回復を早めることが期待できるからです。実際、入浴によって血流がよくなり、免疫細胞が活性化して免疫力が高まるということが研究でもわかっています。つまり、入浴はかぜの回復を後押ししてくれるのです。
ただし、以下の場合は症状が悪化することがあるので、入浴をしないでください。
・体温が37.5℃以上ある
全国の訪問入浴介護サービス利用者を対象とした大規模調査では、入浴前に体温が37.5℃以上あると、入浴後に体調不良を起こすリスクが16.47倍に高まることがわかっています。
この研究結果は高齢者対象ですが、年齢に限らず、37.5℃以上の発熱時には入浴を控えるようにしてください。
一方、体温が37.5℃以下で、強いだるさや頭痛などがなければ、入浴してもさしつかえないでしょう。
・なんとなく体調がすぐれないと感じる
自分自身が感じている健康状態は「主観的健康感」と呼ばれますが、こうした“なんとなく変”という感覚には、医学的な根拠があることも多いのです。
たとえ熱や咳の症状がなくても、「いつもと違う」「体が重い」と感じたときは、無理に入浴しないようにしてください。自分の体の声に耳を傾けることこそ、体調管理の基本です。
かぜを引いていても発熱がなく、体がきつくないなら以下の方法で入浴をするとよいでしょう。
・38~40℃のお湯に5分間浸かる
「熱いお湯で汗をかけば治る」は誤解です。41℃以上の熱い湯は交感神経を強く刺激し、免疫細胞の働きが一時的に抑制されることがあります。すると、回復が遅れたり、症状が悪化したりすることがあります。
・長湯をしない
長風呂で汗をたくさんかいてしまうと、体内の水分やミネラルが失われ、体力の消耗につながります。かぜで免疫力が落ちているときに脱水が加わると、体の回復力がさらに低下し、倦怠感が強まることが少なくありません。
・体が冷えないうちに布団に入る
入浴で体が温まった後は、保湿と水分補給を済ませ、なるべく早めに布団に入りましょう。かぜを引いているときには、免疫力を落とさないためにも、体を冷やさず、しっかり休息を取ることが何より大切です。
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