「複数の証言があるのに園側が否認するのは重大」東京・日野市が改善勧告に従わず虐待を続けたとして保育園名を公表

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東京都日野市はきのう、改善勧告に従わず虐待行為を続けたとして、市内の保育園とその設置法人を公表しました。保育園側は、虐待の事実について否認しています。
日野市が公表したのは、認可保育所「吹上多摩平保育園」と、それを設置する「社会福祉法人吹上会」です。
日野市によると、保育園職員に対するヒアリングを今年3月から実施した結果、職員1人が複数の園児に、▼たたく、▼どなりつける、▼全身を締め付けるなどの「虐待」をしていたことを確認。園側に改善状況の報告を求めました。
しかし、園が十分な改善状況の報告をしなかったため、市は7月に改善勧告をしていました。
市が再度、職員全員に対するヒアリングを園側に通知したところ、園は職員およそ20人の署名とともにヒアリングの中止を要請。市は一部の職員を対象に調査を実施した結果、その後も同じ職員による虐待が確認されたということです。
このため市はきのう、子ども・子育て支援法に基づいて園と設置法人の公表に踏み切り、改善勧告に従わない理由の弁明を求める書面通知を送りました。
回答期限は来年1月6日で、回答内容によっては今後、改善命令を検討するということです。また、刑事告発も視野に入れているとしています。
日野市では「虐待の複数の証言があるにもかかわらず園側は否定しており、重大な事態ととらえている。今後厳正に対処したい」とコメントしています。
一方、保育園側の代理人弁護士はJNNの取材に対し、「虐待をしたとされている職員に聞き取りをしたうえで、虐待の事実は確認していない」と否認していて、「保護者への説明は今後検討する」としています。

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