「乗るならちゃんと買えや」JR中央線グリーン車に“タダ乗り客”続出でネット大荒れ…JR東日本の対応を聞いてみた

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2025年3月15日よりJR中央線快速・青梅線のグリーン車サービスが始まった。SNSには「通勤時や子ども連れのときなどに利用できるのはありがたい」という声がある一方で、グリーン料金を支払わずに乗車する「無賃グリーン乗車」をする乗客が相次いでいるとの報告があがっている。いったい何が起きているのか。JR東日本に話を聞いた。
【画像】中央線も通っている、最も利用客数が多い鉄道駅としてギネス世界記録に認定された駅
2025年3月15日より始まったJR中央線快速・青梅線のグリーン車サービス。2024年秋からサービス開始までは「グリーン車お試し期間」とされ、グリーン料金不要で乗車することができたため、その乗り心地を体験した人も多いだろう。
お試し期間終了後は、乗車するためには乗車券(または定期券)とは別に、「普通列車グリーン券」の購入が必要となったのだが、Xには以下のような“報告”が続々とあがっているのだ。
「中央線のグリーン車乗る度に無賃乗車の人見過ぎてて…払ってんの馬鹿らしくなるから対策して欲しい」
「中央線グリーン車始まってだいぶ経つけどグリーン券買わずにタダ乗りする奴何なん?乗るならちゃんと買えや」
「中央線グリーン車に乗って見てると、『あわよくばタダ乗り狙い、しかしグリーンアテンダント来たら潔く払う』みたいなスタンスのおっさんは一定数いそう。タダ乗り狙ってる時点で潔くないけど」
「中央線のグリーン車に無賃乗車してる人を無言で通報するボタンを車内に付けて欲しいー!笑」
「中央線のグリーン車ほんとに駅員めっちゃまわってくるな…まじで無賃乗車多いんだろうな」
……など、「お試し期間」が終了したにもかかわらず、「無賃グリーン乗車」をしている乗客が相次いでいるというのだ。
そもそも、普通列車のグリーン車にはどのようにして乗車するのか。
JR東日本のサイトによれば、モバイルSuicaやカードタイプのSuica等にチャージした残高から「Suicaグリーン券」を購入してグリーン券情報を記録する方法と、駅券売機や車内等で紙のグリーン券を購入する方法がある。
「Suicaグリーン券」を購入する場合は「Suicaグリーン料金」が適用され、通常料金よりも安く購入することができる(営業キロ50kmまでの場合はSuicaグリーン料金が750円、通常料金は1010円)。
「Suicaグリーン券」を購入してグリーン車に乗車した後は、グリーン券情報の入ったSuicaを座席上の「グリーン券情報読み取り部」にタッチすると、ランプが「赤(空席)」から「緑(着席)」に変わる、という仕組みである。
しかし、SNSで報告されている情報によれば、グリーン車両に着席しているにもかかわらず、座席上のランプが「赤(空席)」のままになっている乗客が散見されるというのである。
本来であれば、「グリーンアテンダント」と呼ばれるスタッフが車内改札やグリーン券の販売を行なうのだが、駅間によっては来ないこともあり、「無賃乗車」が可能になってしまうというわけである。
支払うべき料金を払わずにグリーン車に乗車した場合は「不正乗車」となる。鉄道営業法第二十九条には、
第二十九条 鉄道係員ノ許諾ヲ受ケスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ二万円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス一 有効ノ乗車券ナクシテ乗車シタルトキ二 乗車券ニ指示シタルモノヨリ優等ノ車ニ乗リタルトキ三 乗車券ニ指示シタル停車場ニ於テ下車セサルトキ
と明記されており、場合によっては2万円以下の罰金を支払わなければならない可能性もあるのだ。
JR東日本の担当者に聞いたところ、「グリーン料金が必要であることをご存じないお客さまが、誤ってご乗車になられるケースが見受けられます。引き続き、ご乗車にはグリーン券が必要な旨のご案内を継続して参ります」との回答があった。
また、サービス開始後、グリーン車の利用は日々増加しており、「一部の列車では満席」の利用状況となっているという。
現段階でグリーン券の購入方法の変更等は検討しておらず、グリーン車の利用にはグリーン券が必要であることを、パンフレットや駅の掲示物、駅や車内放送により案内していくとのことだった。
Xで報告されている「無賃グリーン乗車」が、乗客が意図したものなのかそうでないのかは確認しようがないが、快適な移動空間を利用するために決められた対価を支払うのは、当たり前のことだということを肝に銘じたい。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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