「風呂キャンセル界隈」の夫と離婚できる? 不潔すぎる配偶者に絶望する妻たちの切実な声

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SNSなどで話題となっている「風呂キャンセル界隈(かいわい)」。若い世代を中心に、お風呂に入るのがだるかったり、面倒だったりする際に使われる言葉です。
一人暮らしであれば問題はないのかもしれませんが、もしも家庭内だった場合、深刻な影響があるようです。
弁護士ドットコムにも複数の相談が寄せられています。
相談者の女性によると、結婚以来「1~2週間に1回」ほどしか入浴しない夫に嫌気が差し、これを理由に離婚できるかを知りたがっています。女性によると、汗やタバコのにおいが洋服にしみついてしまい、洗濯してもとれず、女性自身にもにおいが移っているのではと心配になるそうです。
別の相談者の女性も、夫がお風呂に入るのは月に半分以下の日数といいます。不潔であることを理由に、長い間「夫婦の営み」も拒否しているそうです。この女性は、夫婦の営みがないことを理由に夫が離婚を求めてきた場合、「私に責任があるのでしょうか?」と不安をうったえています。
こうした「風呂キャンセル」は、夫婦の「離婚事由」として認められるのでしょうか。下大澤優弁護士に聞きました。
──配偶者がお風呂に入らないことは、夫婦の営みを拒んだり離婚したりする理由になりますか。
お風呂に入らない配偶者との夫婦の営みを拒否することには正当な理由があると考えられます。
一般論としては、配偶者の一方が他方との夫婦の営みを拒否し、セックスレス状態になった場合、拒否した側の配偶者に有責性が認められることもあります。
ただ、夫婦の営みをする場合、相手に対し清潔性を求めることは不合理ではありません(生理的な嫌悪感はもちろんのこと、感染症等の予防上も必要なことだと思われます)。
お風呂に入らない配偶者との夫婦の営みを拒否したとしても、それを理由に法的責任を問われることは考えにくいです。
──お風呂に入らない配偶者に対し離婚を求めることができるのでしょうか。
これは、つまるところ、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)があるかどうかの問題です。
程度問題ではありますが、「配偶者がお風呂に入らないこと」だけを理由に「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められるかというと、これは少々難しいと思われます。
お風呂に入らない配偶者に愛想を尽かし、別居をし、婚姻関係の破綻がある程度明らかになれば、一連の事実経過をもとに「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められる可能性は十分あると考えられます。
──お風呂に入らない配偶者に対してどう対応すべきでしょうか。
基本的には、相手の人格をむやみに否定せず、改善すべき点を指摘し、相手が自発的に改善する機会を与えることが大事です。
のっけから「臭い」などと言われては、相手も素直に受け入れる気にはなれないでしょう。理性的な対話を重ねることが、解決の近道なのではないかと思います。
【取材協力弁護士】下大澤 優(しもおおさわ・ゆう)弁護士2012年司法試験合格、2014年に弁護士登録。勤務弁護士を経て2016年に定禅寺通り法律事務所(仙台市)を開設。離婚・男女関係のトラブル(婚約破棄等)に注力している。WEBサイト:https://sendai-rikon.com/事務所名:定禅寺通り法律事務所事務所URL:https://sendai-rikon.com/

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