トレーディングカードが空前の人気 ポケモンカード3枚セットで998万円 女性限定イベントも

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今、空前の盛り上がりを見せている“トレーディングカード”。1枚数十円のカードが驚きの価格に。さらに、サッカーワールドカップで活躍した“あの選手”のカードにも異変が起きていました。
今月はじめ、名古屋の大須にあるカードショップでは開店直後から、レジに列が。皆さんのお目当ては、発売日を迎えた、「ポケモンカード」の新作です。買ったばかりのカードをすぐさま開封する姿も。 「レアは低いが個人的に良いカードが当たった」「普通に買えないですね。抽選で頑張って当てないと」(開封する客) 発売から今年で26年を迎えた「ポケモンカード」。入手困難な状態が続き、新商品は毎回のように“抽選販売”となっています。 おもちゃメーカーの業界団体によると、コロナ禍の巣ごもり需要などを背景に、国内のおもちゃ市場は昨年度、過去最高を記録。中でも全体の2割を占め、品目別で初めてトップに立ったのが、トレーディングカード、通称「トレカ」です。 なぜ、これほどまでに、拡大したのか?業界誌「トイジャーナル」の編集長は―― 「人気のブランドが発売された当時、子どもだった世代がちょうど大人になり、子どもに加えそういう世代も買うようになり市場が非常に伸びた」(トイジャーナル 藤井大祐編集長) トレカ業界で“3強”と呼ばれる「ポケモン」「遊戯王」「デュエル・マスターズ」は、いずれも1990年代後半から2000年代初めにかけて登場。小中学生の頃「カードバトル」に夢中になった30代、40代が今度は子どもと楽しむため“大人買い”で一気に、そろえることもあるそうです。
また、人気のレアカードは高額で取り引きされていて、その金額も、ここ数年で数倍から数十倍に跳ね上がっているとのこと。そんなバブリーなカードが、名古屋のお店にあるということで、見せてもらうことに。 ポケモンカードのプロプレイヤーのサイトウコウセイさん。メーカーから「四天王」に選ばれた実力の持ち主。プロデュースしているお店で紹介してくれたのが―― 「(鑑定で最高ランクの)10をとった商品が並んでいて、この3枚セットで、約1000万円ぐらい」(サイトウコウセイさん) 3年前の大会で、優勝者などに贈呈されたカード。現在のお値段は3枚セットで、なんと998万円。 「1、2年前まではもう少し安かった。200~300万とかで買えた」「ちなみにきょう1件問い合わせがありました。もう少し安かったら買いたいが安くできないかと言われた(笑)」(サイトウコウセイさん) 店内には、サイトウさん自身が大会で優勝し獲得したカードも飾られています。 「特に外国の方から(Twitterで)譲ってほしいと問合せをいただく。思い出の物なので売りはしないが」(サイトウコウセイさん) Q.どれくらいで売ってほしいと?「今のところ最高で700万円ぐらい」(サイトウコウセイさん) 美術品などと同じように、レアカードを“投資目的”で買う人もいて、驚くような値段で取り引きされることもあるそうです。また、過去に販売されたカードでも、人気があって保存状態が良ければ、高値で買い取ってもらえる可能性があるそうです。 「思った以上にお値段がついて高く売れることもあるので、年末の大掃除なんかで出てきたらカードショップにもっていくのも全然良いのではと思う」(サイトウコウセイさん)
「ポケモン」や「遊戯王」など、対戦を楽しむカードとともに根強い人気を誇るのが、「スポーツカード」です。こちらは、選手の成績などによって、値段が大きく変わるそうで―― 「(今年)前半はロッテの佐々木で、後半は村上」(MINTポニーランド店 平井一宏店長) 令和初の3冠王に輝き、流行語の年間大賞も受賞したヤクルトの村上宗隆選手。直筆のサインカードは、この1年で取引価格がおよそ3倍に急上昇したそうです。 そして、W杯スペイン戦での決勝アシストが世界中で話題となった三笘薫選手。その評判とともに、カードの取引価格も“うなぎ上り”です。 「ワールドカップ期間中に2倍ぐらいに」「日本代表のカードはドイツ戦以降、すごく売れた」(平井店長)
ブームの過熱により、カードバトルのファンも裾野が広がっています。名古屋・大須の店の一角で行われていたのは、女性限定の対戦イベント。9月から月1回、開催されています。 「女性客はこの1年ぐらいで増えた」「女性同士の交流が少ないのイベントで交流を深めてもらい友達を作ってほしい」(イベントの進行スタッフ) 会場には親子連れの姿も。 「子どもが始めたいと言ったので、ルールを覚えていくうちにハマった」「私とか娘は男性が対戦相手というだけで萎縮しちゃうので女性の方が良い」(始めて約3カ月) 勝負のあとは、連絡先の交換や記念撮影など和やかな雰囲気に。 「みんな強かったから、あんまり勝てなかった。悔しかった」(娘)「(帰って)デッキ(対戦に使うカード)を組み直しまーす」(母)
そして新たな“参入”は、ビジネスの分野でも―― 豊橋市の大学生、安藤愛里さんは空き店舗への出店に対し、家賃などを補助する市の制度を活用し、去年7月、友人とカードショップをオープン。今では、月の売り上げが300万円を超え、今年6月には静岡県内に「2号店」をオープンしました。 そして安藤さんは、2号店のオープンから半年足らずで3店目をオープンさせるというのです。 「大須は、他のカードショップがたくさんあり激戦区と言われる中で頑張ってみようと思い、出店」「ぶっちゃけ緊張している、吐きそう…」(安藤さん) オープン初日。1番乗りの男性が購入したのは20万円の福袋。その次に入ってきた女性が購入したのは、10万円の福袋でした。3号店は上々のスタートとなったようです。 大学卒業後は、カードショップの経営に専念するという安藤さん。トレカ市場のさらなる拡大に、期待を寄せています。 「他の店に負けないように頑張っていきます」(安藤さん) (12月16日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

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