フジ・メディア・ホールディングス(HD)は7日、同HDとフジテレビ取締役の安田美智代氏(55)が同日付で辞任したことを公式サイトで発表した。会食費用や物品購入について、事実と異なる経費精算を行っていたことが複数確認されたという。安田氏は一連の問題を受けて同HDとフジテレビの役員体制が刷新されたのを受け、3月に取締役に就任していた。
疑義が生じたのは9月中旬で、社内のチェック機能により一部不適切な経費精算の疑義が認められたことから、同HDの社外取締役を委員長とする監査等委員会とフジテレビの監査役が主体となって詳細な調査を指示。外部専門家や関係部局を入れて調査したという。
安田氏本人は事実を認め、返金の意向を示すとともに取締役の辞任を申し出たという。他の全取締役についても調査したが、同様の事案は確認されていないという。
フジテレビの清水賢治社長は同日夕、取材に応じ、不適切な事案は2020~25年に約60件、金額は約100万円に上ったことを明らかにした。取締役に就任後も何件かあったといい、安田氏は物品購入が「主に手土産として申請されたもの」で「私的利用ではないと答えている」という。
清水氏は、相手先の人数や名前が事実と異なっていたと明かし「その時点で既に虚偽の申請となるので、不適切という判断になる」と説明。「痛恨の結果」と悔やんだ。