鳥栖いじめ 「重大事態」に認定、調査へ 発生から10年以上経過

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佐賀県鳥栖市の佐藤和威(かずい)さん(23)が市立中1年だった2012年に同級生から激しい暴力を受け現金を脅し取られた問題で、同市教委は14日、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定し、医師や弁護士らでつくる市いじめ問題対策委員会に調査を諮問すると決めた。いじめの発生から10年以上が経過して重大事態に認定されるのは異例。
今も震える体で訴え 壮絶ないじめから10年 確定した21年7月の福岡高裁判決によると、佐藤さんは12年4月の中学入学直後から▽エアガンで撃たれる▽「プロレスごっこ」と称して暴力を受ける▽現金を脅し取られる▽包丁を向けられる――などのいじめを受けた。高裁は同級生8人に慰謝料などの支払いを命じる一方、学校側の安全配慮義務違反は認めず、市への賠償請求は退けた。

いじめ防止対策推進法はいじめで生徒の生命や心身に重大な被害が生じた疑いがある場合を重大事態と規定し、第三者委員会などによる調査を義務付けている。佐藤さんは市教委に何度も調査を求めたが実現せず、22年9月に改めて調査を申し入れていた。 佐藤さんは市教委の決定を受け、「当事者の意見を十分聞いて委員を選び、公正中立な組織で学校や市教委の対応を検証してもらいたい」と語った。同市の佐々木英利教育長は「当時の課題点を明らかにし、佐藤さんの思いを受け止め、今後の再発防止策につなげていきたい」とのコメントを発表した。【樋口岳大】
確定した21年7月の福岡高裁判決によると、佐藤さんは12年4月の中学入学直後から▽エアガンで撃たれる▽「プロレスごっこ」と称して暴力を受ける▽現金を脅し取られる▽包丁を向けられる――などのいじめを受けた。高裁は同級生8人に慰謝料などの支払いを命じる一方、学校側の安全配慮義務違反は認めず、市への賠償請求は退けた。
いじめ防止対策推進法はいじめで生徒の生命や心身に重大な被害が生じた疑いがある場合を重大事態と規定し、第三者委員会などによる調査を義務付けている。佐藤さんは市教委に何度も調査を求めたが実現せず、22年9月に改めて調査を申し入れていた。
佐藤さんは市教委の決定を受け、「当事者の意見を十分聞いて委員を選び、公正中立な組織で学校や市教委の対応を検証してもらいたい」と語った。同市の佐々木英利教育長は「当時の課題点を明らかにし、佐藤さんの思いを受け止め、今後の再発防止策につなげていきたい」とのコメントを発表した。【樋口岳大】

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