止まらないクマ出没…行楽地にも影 “AIクマ動画”も拡散…専門家が警鐘

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秋田県では3日もクマに襲われたとみられる79歳の女性の遺体が山の中で見つかるなど被害が相次いでいます。一方、SNS上にはAIでつくられたとみられるクマの動画が数多く投稿され、専門家は“誤った認識”が広がることに危機感を示しています。■秋田市内で174頭のクマ捕獲…過去最多2日午後、秋田・千秋公園のなかに設置された自動撮影カメラが捉えたのは、おりのそばにいる、体長およそ1.1メートルのメスのクマ。

このクマは捕獲され、およそ6時間後には同じおりのなかに体長およそ1.3メートルのオスのクマも確認されました。市は、2日の捕獲以降、周辺でのクマの目撃情報はなく、確認した上で、千秋公園の立ち入り規制も解除される見通しです。秋田市内では今年度、少なくとも174頭のクマが捕獲されていて、2023年度の捕獲数171頭を超え、過去最多となっています。三連休も止まらない、クマの出没。その被害は、行楽地にも影を落としています。■車庫の前で親グマに住宅のすぐそばに迫るクマ。秋田市では、3日朝早くに65歳の男性がクマに襲われています。山崎愛子記者(秋田放送)「男性は車庫の前で親グマに襲われたということです」3日午前5時半ごろ、秋田市内の住宅街にあらわれたのは体長およそ1.2メートルのクマと50センチほどの子グマ。男性が出勤するため車に乗ろうとしたところを襲われ、額から出血するなどのケガをして病院に搬送されています。秋田市内の別の住宅で撮影された映像では、1頭のクマが玄関に近づくと突然、走り出します。車が通った音でしょうか、驚いて立ち去ったようです。■「山に行ってくる」と伝えたまま同じ秋田県の湯沢市では警察官などが集まり、騒然としていました。警察によりますと3日午前9時すぎ、市の職員が山の中で倒れている人を発見、その場で死亡が確認されました。亡くなったのは、近くに住む、後藤キヨさん(79)。2日の朝、家族に「山に行ってくる」と伝えたまま行方不明になっていました。警察はクマに襲われた可能性が高いとみて、死因などを調べています。三連休中にもクマの被害が相次ぎ、少なくとも8件が確認されています。行楽地にも広がるクマの影響。岩手県北上市の瀬美温泉では先月、露天風呂の清掃を行っていた男性従業員が襲われ亡くなっています。その北上市では、1日、スイーツと登山を楽しめるイベントが予定されていましたが、中止を余儀なくされました。担当者は――イベント担当者「まさに今、紅葉シーズンだから悔しいが安全第一」■“AIクマ動画”が拡散こうしたなか、SNSでは生成AIでつくられたとみられるクマの動画が拡散されています。杖でクマを撃退しようとする動画や、クマがマンションの壁をよじ登る動画。さらに、「飼い犬がクマを撃退した」というニュース風の動画も…。これらの動画にはいずれも“動画生成アプリ”のロゴが入っています。専門家は、クマについて“誤った認識”が広がる危険性があると指摘します。クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授「(動画では)基本的に人とクマの距離が非常に近くなっていて、クマに対して行動・リアクションしている動画がいっぱいあったが、生身の人間がそのままクマと接触すると大事故につながることがある」動画のなかで女性がクマを撃退しようとしたことについて――クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授「杖でクマを攻撃したりとか、そういうことをすると、クマが興奮して襲ってくる可能性があるので、クマを興奮させるような行動は控える」市街地にいるクマは興奮しやすい状態になっていて、こちらから攻撃したとき、反撃を受ける危険性が高いといいます。■専門家でも判別難しく飼い犬がクマを追い払ったという動画については――クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授「犬がいればクマと出会っても大丈夫とか、誤った情報が結構言われている。場合によっては攻撃を仕掛けられたことによって反撃してくる。圧倒的にクマの方が体格が大きい場合は、やっぱり犬もただでは済まない、人間も非常に危険」ネットで拡散される生成AIによりつくられた動画についてAIに詳しい専門家は――AIに詳しい国立情報学研究所・佐藤一郎教授「AI技術の進化によってなかなか見分けのつかないレベルになっている。自分の目で見分けられると思わないでください。偽物の可能性があることを前提にして見ていただくしかない」本物か加工されたものか専門家でも判別が難しいといいます。(11月3日放送『news zero』より)
秋田県では3日もクマに襲われたとみられる79歳の女性の遺体が山の中で見つかるなど被害が相次いでいます。一方、SNS上にはAIでつくられたとみられるクマの動画が数多く投稿され、専門家は“誤った認識”が広がることに危機感を示しています。
2日午後、秋田・千秋公園のなかに設置された自動撮影カメラが捉えたのは、おりのそばにいる、体長およそ1.1メートルのメスのクマ。
このクマは捕獲され、およそ6時間後には同じおりのなかに体長およそ1.3メートルのオスのクマも確認されました。
市は、2日の捕獲以降、周辺でのクマの目撃情報はなく、確認した上で、千秋公園の立ち入り規制も解除される見通しです。
秋田市内では今年度、少なくとも174頭のクマが捕獲されていて、2023年度の捕獲数171頭を超え、過去最多となっています。
三連休も止まらない、クマの出没。その被害は、行楽地にも影を落としています。
住宅のすぐそばに迫るクマ。
秋田市では、3日朝早くに65歳の男性がクマに襲われています。
山崎愛子記者(秋田放送)「男性は車庫の前で親グマに襲われたということです」
3日午前5時半ごろ、秋田市内の住宅街にあらわれたのは体長およそ1.2メートルのクマと50センチほどの子グマ。男性が出勤するため車に乗ろうとしたところを襲われ、額から出血するなどのケガをして病院に搬送されています。
秋田市内の別の住宅で撮影された映像では、1頭のクマが玄関に近づくと突然、走り出します。
車が通った音でしょうか、驚いて立ち去ったようです。
同じ秋田県の湯沢市では警察官などが集まり、騒然としていました。
警察によりますと3日午前9時すぎ、市の職員が山の中で倒れている人を発見、その場で死亡が確認されました。
亡くなったのは、近くに住む、後藤キヨさん(79)。
2日の朝、家族に「山に行ってくる」と伝えたまま行方不明になっていました。
警察はクマに襲われた可能性が高いとみて、死因などを調べています。
三連休中にもクマの被害が相次ぎ、少なくとも8件が確認されています。
行楽地にも広がるクマの影響。岩手県北上市の瀬美温泉では先月、露天風呂の清掃を行っていた男性従業員が襲われ亡くなっています。
その北上市では、1日、スイーツと登山を楽しめるイベントが予定されていましたが、中止を余儀なくされました。
担当者は――
イベント担当者「まさに今、紅葉シーズンだから悔しいが安全第一」
こうしたなか、SNSでは生成AIでつくられたとみられるクマの動画が拡散されています。
杖でクマを撃退しようとする動画や、クマがマンションの壁をよじ登る動画。さらに、「飼い犬がクマを撃退した」というニュース風の動画も…。これらの動画にはいずれも“動画生成アプリ”のロゴが入っています。
専門家は、クマについて“誤った認識”が広がる危険性があると指摘します。
クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授「(動画では)基本的に人とクマの距離が非常に近くなっていて、クマに対して行動・リアクションしている動画がいっぱいあったが、生身の人間がそのままクマと接触すると大事故につながることがある」
動画のなかで女性がクマを撃退しようとしたことについて――
クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授「杖でクマを攻撃したりとか、そういうことをすると、クマが興奮して襲ってくる可能性があるので、クマを興奮させるような行動は控える」
市街地にいるクマは興奮しやすい状態になっていて、こちらから攻撃したとき、反撃を受ける危険性が高いといいます。
飼い犬がクマを追い払ったという動画については――
クマの生態に詳しい岩手大学農学部・山内貴義准教授「犬がいればクマと出会っても大丈夫とか、誤った情報が結構言われている。場合によっては攻撃を仕掛けられたことによって反撃してくる。圧倒的にクマの方が体格が大きい場合は、やっぱり犬もただでは済まない、人間も非常に危険」
ネットで拡散される生成AIによりつくられた動画についてAIに詳しい専門家は――
AIに詳しい国立情報学研究所・佐藤一郎教授「AI技術の進化によってなかなか見分けのつかないレベルになっている。自分の目で見分けられると思わないでください。偽物の可能性があることを前提にして見ていただくしかない」
本物か加工されたものか専門家でも判別が難しいといいます。

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