不倫相手の妻から職場に電話がきてパニック、「会って話したい」と言われ…

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妻子ある男性と知りつつも、恋に落ちてしまったら…いけないとわかっていても会ってしまうとき、いちばん恐れる存在は“妻”。
富田洋子さん(28歳・派遣社員)は、その最恐の存在に対峙した経験があるそうです。
◆いけないとわかりつつ、深みにはまり…
「大人の男性に憧れて、若気の至りで妻子ある男性とお付き合いしてしまったことがあります。今では本当に後悔していますが、当時は大人な彼と会うのも、誰にも見つからないようにスリリングな時間も楽しくて。夢中になっていました」
彼は妻には「バレていないから大丈夫」と言って、仕事にかこつけて朝早く家を出て富田さんに会いに来たり、出張と偽って一緒に旅行したこともあるそう。
「親密度が増すほどに、2人の距離が縮まる気がして、もう周りが見えなくなってしまっていました。いけない、と思えば思うほど、盛り上がってしまうんです。そんなある日、衝撃の出来事がありました」
◆会社に彼の妻からの電話が!
会社で仕事をしていた富田さんに、電話がかかってきました。聞き覚えのある、けれど取引先の人ではない名前の人から電話を取り次がれ、誰だろうと出ると、その相手はまさかの彼の妻だったのです!
「仕事中で、仕事モードだったことと、まさか奥さんから電話が来ると思っていなかったので、なんの疑いもなく普通に『お電話代わりました』と言いました。すると、数秒してから『〇〇の妻です』と言うのです。低く、怒りを抑えた声で『あなた、夫とお付き合いしていますよね?』と単刀直入に言われました」
仕事中にまさかの電話で、硬直してしまった富田さん。なぜ自分の勤め先や名前を知っているのかもわからず、ただただパニックになったそうです。
「心臓が止まるかと思いました。けれど、職場で周りの目もあるので、慌てた様子も出せず、平静を装いました。当然話の内容も、具体的なことは話せません。とにかく『いいえ、違います』と答えましたが、奥さんは『もう知ってるのよ』と。自分がドラマのワンシーンにいるのかと思い、現実を受け止めきれませんでした」
◆呼び出しを食らいパニックに
女性は矢継ぎ早に、さらに用件を話します。
「パニックで次の言葉が出ないわたしに奥さんは『職場で詳しい話はできないでしょう、とにかくあなたに会って話したいことがあるから、仕事が終わってからどこかに出てきてください』と言い、折り返しの電話番号を伝えられました。仕事のふりをして電話番号をメモし、切ったあとトイレに駆け込んで彼にすぐに連絡しました」
会ったら何をされるか分からない…と恐怖に陥った富田さん。彼に連絡を取り、事情を話しました。富田さんは、まずは夫婦で話してもらえないかと、涙ながらに彼に伝えました。
◆当事者の彼は、まさかの知らんぷり
すると、衝撃の返事が返ってきたのです。
「当然わたしも悪いことをしている自覚はありました。ですが彼はバレていないと言っていたし、わたしが奥さんと話すより前に、夫婦間で話して、彼から現状について説明してほしいと思ったのです。でも彼はオドオドした声で『俺は聞いてないから、2人で話せば』と他人ごと。わたしのことを守ってくれず、逃げ腰になっている彼に幻滅しました」
いちばんの当事者である彼が、土壇場で知らんぷりをしてしまい、どうにもならなくなった富田さん。腹をくくって会う決意をしたそうです。
◆カフェで待ち合わせ、そこにいたのは…
「もうバレているようですし、彼が逃げた以上、もう出て行くしかないと思いました。奥さんに電話し、カフェで会うことになりました」

「奥さんは思ったより地味な方でした。顔はもちろん怒りに満ちていましたが、平静を装い、言葉を選んで話しました。『別れて』とは言われませんでしたが『あなた、このまま続けていたら、わたしが慰謝料請求できることを知っているわよね?』と詰め寄られました」
◆頭が真っ白で、何を話したか覚えていない
不貞行為の場合、夫だけでなくその恋人にも慰謝料を請求することができるので、言うことは間違っていません。
「何と答えてよいかわからず『はい…』としか言えませんでした。その日に突如電話を受け、彼に相談するもスルーされ、まさかの奥さんに対面。ドラマのような展開に自分の頭がついていかず、何を話したかはあまり覚えていません」
富田さんはその後、彼に連絡し、ことの顛末を伝えました。そして、守ってくれなかったことがショックだと伝えたそうです。
◆不倫はもうこりごり
「なによりも彼がいざというときに私を守るどころか、自分だけそそくさと逃げようとしたことがショックでした。今までの甘い言葉はなんだったの?と泣きながら責めました」
彼も富田さんに謝りましたが、富田さんはそのショックがぬぐえず、彼とはだんだん会う気になれなくなってしまい、フェイドアウトしてしまったそうです。
「まさか人生でこんな経験をするとは思わないほど衝撃の体験でした。今となっては過去のことですが、人間って、土壇場でどんなリアクションをするかで人間性が分かるなぁと勉強になりましたね。わたしも不倫はこりごりです」
いまは独身の男性とおだやかにお付き合いして幸せそうな富田さん。大変な目に遭いましたが、別れるきっかけになってよかったのかもしれませんね。
―シリーズ「不倫のてん末」―<文/塩辛いか乃 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>>

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