10月21日に発足した高市早苗政権で、SNSをはじめ注目を集めているのが小野田紀美経済安全保障担当相だ。小野田氏は2016年の参院選(岡山選挙区)初当選で、現在2期目。42歳にして重要性が増している経済安保相に抜擢されるとともに、自民党総裁選でも争点となった外国人問題を所管する新設の外国人政策担当相も兼務している。
小野田氏は総裁選で高市氏の陣営に入り、女性議員や中堅・若手中心の「チーム・サナエ」でキャプテンを務めた。Xのフォロワー数は約85万と政界トップクラスで、厳しい対中観を持つ保守色の強い政治家として知られる。
また、政治家になる前にはゲーム・CD制作会社に勤務しており、「オタク」としても有名だ。現実の恋愛よりもゲームやアニメのキャラクターを愛する「2次専」(2次元専用)だと公言しており、クールジャパン戦略担当相でもある。
入閣する以前は奔放な発言をすることもしばしばで、今年5月の参院決算委員会では在留外国人が急増している現状について「爆発的にいっぱい外国人観光客や労働者を呼ぼうとしている政治が悪い」と言い切るなど、歯に衣着せぬ発言も辞さない。
報道に対しても容赦なく批判を向ける「マスコミ嫌い」で、そういった自身のスタンスを踏まえてか、就任後の10月24日の記者会見では「(自分自身が)だいぶ嫌われている人間でもある」との認識を示し、好きなアニメや漫画、感銘を受けた作品を尋ねた質問に回答しなかった。
これには小野田氏なりの配慮があったようで、「小野田が好きだということで、その作品を好きな人で、嫌な思いをする人もいると思う」「思いはあるが、それは公的な場ではなく、あくまで一個人の場所でお話できたらいい」と理由を説明した。
閣僚になってそうした配慮もみせる小野田氏だが、小野田氏といえば公明党との関係においても以前は注目を集めた。公明党が連立からの離脱を決断したのは高市氏が選出された総裁選の後のことだが、小野田氏は2期目を決めた2022年参院選で、全国に32ある改選数1の「1人区」で唯一公明党からの推薦を受けずに選挙戦に臨み、約18万票の差をつけて当選したのだ。
全国紙政治部記者はこのときのインパクトについてこう話す。
「小野田氏は自ら積極的に『公明党の推薦は要らない』と言ったわけではないようだが、地元の創価学会から『全国的に相互推薦しない方向だ』と言われて、『いいと思います!』と返事をした。さらに、自身のSNSに『政党が違うのですから、それぞれ自由にやるのが自然ですよね。公明党さんの推薦見送り検討、共感します』と書き込んだ。
結果的に、1人区で公明党からの推薦がなかったのは小野田氏だけだが、公明党・創価学会からすれば小野田氏の態度は『要らない』と言っているも同然で、岡山選挙区だけは小野田氏の相手候補に組織票を寄せた。学会からすればこれで小野田氏を落とせないとメンツが立たないわけだが、小野田氏は圧勝してしまった」
小野田氏が「岡山のジャンヌ・ダルク」の異名を持つのもこうしたことが背景にあり、異端の政治家とみられている。一方、奔放な言動に注目が集まりがちだが、地元・岡山では板ばさみの状況に苦慮もしているようだ。
地元紙記者はこう説明する。
「岡山では、橋本龍太郎氏以来となる首相候補として、加藤勝信氏に対する期待が大きい。小野田氏も2024年の前回総裁選のときは加藤氏の支援に回っており、一部から『なぜ高市氏ではないのか』と反発を受けた。
今回も加藤氏の動向を見極めていたようで、加藤氏は結局出馬せず、小泉進次郎陣営の選対本部長に就任した。加藤氏が出馬しないということで、もともと『推し』だった高市氏の支援に回ったようだが、地元には『なんで加藤氏と一緒に行動しないのか』という声もある。その辺りは小野田氏も慎重に情勢を見極めているようだ」
閣僚ともなればこれまでのように言いたい放題というわけにもいかないが、小野田氏はその中で自分のカラーを出せるのか。今後の動向が注目される。
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