図表1では、東京都の3人家族がシャワーだけで入浴を済ませるのと、浴槽にお湯をためたケースの費用を比較しました。図表1
参考資料により筆者作成一般的なシャワーヘッドは、1分あたり約10リットルの水を出し、10分間のシャワーでは約100リットルの水量を消費します。一方、浴槽にためる場合は約200リットルの水量が必要となるケースが多いです。この水量を元にした費用の計算では、シャワー1回分の水道代(※1)とガス代(※2)を合わせた金額が約58円。浴槽にお湯を張る場合は約116円で、その差は1回あたり58円です。なお、プロパンガスを使用している家庭のガス代は、通常都市ガスよりも費用が高くなる傾向です。※1 水道代は、11~20立方メートルの従量料金で計算。水道代(100リットル)=使用水量0.1(立方メートル)×(水道128円+下水110円)※2 ガスは、東京ガスB表、2025年9月検針分の単位料金を参考に計算。ガス代(20℃の水を40℃に温める)=20℃×100リットル÷(発熱量10750キロカロリー/立方メートル×熱効率80%)×ガス料金147円/立方メートル
図表2は、3人ともシャワー、2人がシャワー・1人がシャワーと湯ぶねにつかる際の、ガスと水道代の料金を比較したものです。1日・1ヶ月・1年の差がどれほどなのか確認していきましょう。図表2
参考資料により筆者作成(価格は税抜)3人全員がシャワーのみと、2人がシャワー・1人がシャワーと湯ぶねにつかるケースを比べると、費用は1日に116円の差が出ます。日単位では、それほど大きな差には感じられないものの、1年では約4万2340円もの違いが生まれます。ただし、シャワーの使用時間が20分を超えると、全員シャワーのみの費用が高くなるケースもあります。家族それぞれがどれくらいの時間シャワーを使用しているか、あらかじめ把握しておくと良いでしょう。
お風呂にかかる出費を減らすには、以下3つの方法が効果的です。
1. 節水シャワーヘッドを使う2. 自動の追いだき機能を使わない3. お湯を入れる量を減らす
簡単に取り入れられるので、すぐに実践してみましょう。
従来のシャワーヘッドは、1分あたり10リットルの水量を使用します。しかし、節水型にすると、1分あたりの水量が6.5リットルほどに減らせるものもあり、10分間のシャワーなら1人あたり1050リットル/月の節水ができます。
お湯が冷めるたびに温め直すと、ガス代がかさむ原因なので、自動の追いだき機能を利用しなくても良い工夫をしましょう。例えば、入浴中でも半分だけふたを閉めると、お湯表面からの熱が逃げにくく、温かい温度を保(たも)てます。
1回のお風呂に入れるお湯の量を減らすと、お風呂の水道やガスの料金をムダなく抑えられます。例えば、湯量の設定を200リットルから170リットルに減らすだけで、1ヶ月の水量を約900リットル、光熱費を約522円減らせます。
家族それぞれでお風呂の入り方が違うと、水道光熱費が高くなるケースもあります。しかし、簡単にできる節約法を取り入れると、水道代やガス代の費用を抑えられます。家族で節約を意識して、それぞれが納得できるお風呂時間にしましょう。
東京都水道局 水道料金・下水道料金の計算方法(23区)東京ガス株式会社 ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通) 一般契約料金執筆者:FINANCIAL FIELD編集部ファイナンシャルプランナー