銃・爆発物の製造情報、SNS事業者に削除要請 警察庁、23年度から

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安倍晋三元首相(67)が街頭演説中に銃撃されて死亡した事件を受け、警察庁は来年度から、インターネット上で銃器や爆発物の製造に関する情報が確認された場合、「有害情報」としてネット交流サービス(SNS)などの運営事業者に削除要請する方針を決めた。事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=はネット上の動画を見て銃を手作りしたなどとされ、警察庁は削除要請を通じ、銃や爆発物が自作されることを未然に防ぐ。
警備計画・現場の問題…生まれた「後方の空白」 人を殺傷するための銃器は、使用することはもちろん、所持することも銃刀法で厳しく規制されている。警察当局はこの規制を通じて拳銃などの流通を抑えてきたが、近年はネット上の情報から拳銃などを自作するケースが増えており、新たな対応を迫られていた。 今回、警察庁が「有害情報」として削除要請の対象とするのは、3Dプリンターなどを使った銃の設計図や、爆発物の調合方法など。今後、委託事業者向けのガイドラインを改定し、具体的に該当するケースを決める。 警察庁は関連費用を2023年度予算の概算要求に盛り込み、サイバーパトロールを委託している民間事業者の人件費など9700万円を計上した。警察庁の委託によりネット上の違法・有害情報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター」で一般からの通報にも応じる。 銃が自作されるケースは近年相次いでいる。神奈川県警は14年、ネットで入手した情報をもとに拳銃を製造したとして、武器等製造法違反などの疑いで元大学職員の男性を逮捕。18年9月には、3Dプリンターで製造したプラスチック製の拳銃を所持していたとして、当時19歳の男子大学生が銃刀法違反容疑で愛知県警に逮捕されている。 警察庁は06年から拳銃の譲渡や爆発物の製造などを「有害情報」として定め、委託業者を通じて削除要請をしてきたが、件数が少ないことなどを国の行政改革推進会議で指摘され、16年度からは「有害情報」の指定そのものを取りやめていた。だが、17年に神奈川県座間市で9人の遺体が見つかった事件で、SNS上で自殺をほのめかした投稿者を容疑者が誘い出していたことが判明し、自殺勧誘については18年1月から「有害情報」と定め、削除要請するようになっていた。 警察庁の担当者は「16年度当時と比べてネットの利用環境は変わっている。削除要請の取り組みを新たに進めれば、ネット上の環境浄化に貢献できるのではないか」と話している。【松本惇】
人を殺傷するための銃器は、使用することはもちろん、所持することも銃刀法で厳しく規制されている。警察当局はこの規制を通じて拳銃などの流通を抑えてきたが、近年はネット上の情報から拳銃などを自作するケースが増えており、新たな対応を迫られていた。
今回、警察庁が「有害情報」として削除要請の対象とするのは、3Dプリンターなどを使った銃の設計図や、爆発物の調合方法など。今後、委託事業者向けのガイドラインを改定し、具体的に該当するケースを決める。
警察庁は関連費用を2023年度予算の概算要求に盛り込み、サイバーパトロールを委託している民間事業者の人件費など9700万円を計上した。警察庁の委託によりネット上の違法・有害情報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター」で一般からの通報にも応じる。
銃が自作されるケースは近年相次いでいる。神奈川県警は14年、ネットで入手した情報をもとに拳銃を製造したとして、武器等製造法違反などの疑いで元大学職員の男性を逮捕。18年9月には、3Dプリンターで製造したプラスチック製の拳銃を所持していたとして、当時19歳の男子大学生が銃刀法違反容疑で愛知県警に逮捕されている。
警察庁は06年から拳銃の譲渡や爆発物の製造などを「有害情報」として定め、委託業者を通じて削除要請をしてきたが、件数が少ないことなどを国の行政改革推進会議で指摘され、16年度からは「有害情報」の指定そのものを取りやめていた。だが、17年に神奈川県座間市で9人の遺体が見つかった事件で、SNS上で自殺をほのめかした投稿者を容疑者が誘い出していたことが判明し、自殺勧誘については18年1月から「有害情報」と定め、削除要請するようになっていた。
警察庁の担当者は「16年度当時と比べてネットの利用環境は変わっている。削除要請の取り組みを新たに進めれば、ネット上の環境浄化に貢献できるのではないか」と話している。【松本惇】

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