《激増中!》「セルフレジ万引き」の悪質すぎる手口一覧

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同じ商品を複数持ち一品だけスキャニングする「まとめ打ち」。安い商品のバーコードを貼りつける「バーコード偽装」。6本入りのビールの箱についたバーコードでなく1缶分だけスキャンする「単品スキャン」――。
客が自分で精算をするセルフレジでは、悪質極まる万引き手口が横行している。スーパーやコンビニでの普及率上昇に比例して、激増しているセルフレジの窃盗(せっとう)事件。具体的な被害額はわかっていないが、全国万引犯罪防止機構が小売店5社を調査したところ’24年には約2000件のトラブルがあったという。25年以上にわたり6000人もの窃盗犯を捕捉してきた「万引きGメン」の伊東ゆう氏が語る(以下、コメントは伊東氏)。
「実際の被害は、もっと多いと思います。あるスーパーでは、セルフレジを導入すると万引き被害が前年の35倍になったそうです。一方で『怪しい』と思って注意しても『スキャンするつもりだった』『うっかり忘れていた』と言われれば、証拠がないため警察に通報しづらい。被害が明らかになりにくいのも事実でしょう」
伊東氏によると、セルフレジ万引き犯には特徴があるという。
「同じ商品をいくつも手に持つ、店員の目をやけに気にしているなどです。最大の特徴は犯行を繰り返すこと。最初は『スキャンし忘れた』と言い逃れできても、同じ行動をとる姿が何度も防犯カメラに映っていれば重要な証拠になります」
伊東氏が犯人を取り押さえた、いくつかのケースを紹介したい。
今年の春に千葉県内で身柄を確保したのは30代の夫婦だ。カートの上段にはオムツなどの比較的安価な商品、下段には米など値段の高い品物が置かれていた。
「夫婦は連携してなるべく店員の死角に入るようにして、カート上段の商品だけをスキャンしていました。会計が終わると下段の米などは精算せず、そのまま店を出ようとした。カートの下に置いた高価な品物を盗む『下段スルー』という手口です。夫婦は以前から怪しい行動が目についたので、警察に通報しました」
同じく千葉県内で今年9月に捕まえたのは、30代の女性だった。
「一つのポリ袋に、品物をいくつも詰め込んでいました。肉などの高価な食材が下になるように入れ、上に入れた賞味期限ギリギリの割引商品だけをスキャンしていたんです。『ポリ袋悪用重ね打ち』という手口ですね。話を聞くと生活に困り、2~3ヵ月前から週1回のペースで万引きしていたとか。盗んだ商品に関しては、今後すべて弁償するそうです」
伊東氏によると、防犯で有効なのは店員の声かけだという。
「犯人はビクビクしながら行動している。怪しいと感じたら『お困りですか』と声をかけるように指導しています。犯人は驚いて万引きを思いとどまるでしょう」
セルフレジだからバレないだろうという甘い考えは禁物だ。たった一度の犯行で人生が台無しになることを、万引き犯は肝に銘じるべきだろう。
『FRIDAY』2025年10月17日号より

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