「ウユニ塩湖」似とSNSで話題になった香川の浜、「持続可能な観光地」世界100選に

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地域の自然や文化、地域住民を守りながら観光客を受け入れ、地域経済の発展を目指す「世界の持続可能な観光地TOP100選」に、香川県内から三豊、丸亀両市がそれぞれ選ばれた。
初の選出となる三豊市は父母ヶ浜を守る地域住民らの取り組みなどが、2度目の丸亀市は廃棄物の再利用を教育旅行の誘致に結びつけたことなどが評価された。(尾崎達哉)
オランダに拠点を置く国際認証団体「グリーン・デスティネーションズ」が、文化や環境、地域社会の活性化など6部門で毎年、世界各地から100地域を選考し、表彰している。県内では、2021、22年に小豆島町、23年に丸亀市が選ばれた。
今回、三豊市がエントリーしたのは、「観光地管理における解決策」部門だった。
市によると、漂着ごみで荒れるなどしていた父母ヶ浜を再生させようと、地域住民らが約30年前に「ちちぶの会」を結成。清掃活動を長年続け、豊かな自然を維持してきた。
約10年前には、干潮時にできる潮だまりに空が鏡のように映り込む風景が、南米ボリビアの「ウユニ塩湖」に似ているとSNSで話題に。夕日が沈む際の一帯の光景も美しく、当時、約5500人だった観光客は、2022年には90倍超の約51万人に急増。香川有数の観光地として広く知られるようになった。
父母ヶ浜のファンになった観光客らが景観を保全する活動に参加しているという。市の担当者は「地域住民と観光客が協働する持続可能な観光モデルが確立された」と説明。これらの活動が団体側に注目された。
山下昭史市長は「父母ヶ浜が世界的に認められたのは大きい。観光地としてのブランドを高めたい」と述べた。
丸亀市は「ビジネス&マーケティング」部門で選出。食品廃棄物を再利用するなどの取り組みを学生らとともに「丸亀市探究ワークブック」にまとめ、教育旅行などの誘致につなげていることがたたえられた。
近年、市は立命館大食マネジメント学部などと連携。観光施設「レオマリゾート」のホテルで生じる食品廃棄物を肥料として作物を育て、園内のレストランのメニューで使用する取り組みを始めた。この「食品リサイクル」による二酸化炭素排出の削減量も数値化。一連の活動をワークブックに盛り込んだ。
ワークブックでは、市内のカフェで提供されるレモネードにも着目し、原料のレモンの栽培に、大名庭園「中津万象園」(丸亀市)で出た廃棄予定の松の葉を利用していることも紹介。教育旅行で訪れた人への教材として活用している。
松永恭二市長は「研修などで観光に訪れる人を増やしたい」とする。

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