「既得権益と闘う」田久保眞紀市長を応援するムードが…“学歴詐称”問題からナゼ? 田久保派の市議選候補たちを直撃した

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「改革につながると信じ、信を問いたい」
【画像】あどけない表情が残る中学時代の田久保眞紀氏
学歴詐称問題で揺れる伊東市の田久保眞紀市長(55)。進退が注目される中で選んだのは、自らに不信任を突きつけた市議会の解散だった。
東洋大は除籍と明言
◆◆◆
地元紙記者の解説。
「9月1日の市議会で田久保氏に対する不信任決議案が全会一致で可決。田久保氏は辞職・失職か市議会解散の2択を迫られ、10日、市議会を解散しました。これに伴い、10月12日告示、19日投開票の日程で市議会選挙が実施されることになりました」

このイレギュラーな市議選に対し、市が選挙費用として計上したのは6300万円。物価高などが影響し、前回の市議選の1.4倍の金額だという。
「加えて、市議選の日程が市内の伝統的な祭りと重なり、観光面への影響も懸念されています」(同前)
解散前に副議長を務めた青木敬博前市議が憤る。
「田久保氏は市民ファーストを掲げて当選しましたが、今回の解散は“自分ファースト”。市長給与が欲しいがための延命措置としか思えません」
市議会の百条委員会に対して証人尋問への出頭や卒業証書とされる書類の提出を拒否したことでの地方自治法違反や、卒業証書とされる書類を市議会議長らに見せたことに対する偽造有印私文書行使の疑いで刑事告発されている田久保氏。

だが、当の本人はXでメガソーラー反対運動の実績をアピールしたり、自撮り写真を投稿するなど、世間の批判もどこ吹く風だ。学歴詐称問題について、周囲にはこう語っているという。
「除籍って分かった夜は眠れなかったんだけど、あとは回復してきたかな」
田久保氏の知人が語る。
「メンタル面を心配する周囲に対し、本人は『私は一晩眠ればシャキッとします!』と言って、ケロッとしている。田久保氏の母親も『眞紀があんなに強い子だと思わなかった』とベタ褒めしていました」
そんな田久保氏が市長の椅子を死守するためには、市議選で“田久保派”候補を当選させる必要がある。
「地方自治法の規定上、選挙を経た新たな議会によって不信任案が再可決されれば、田久保氏は自動的に失職となる。不信任案の可決は、3分の2以上の議員が出席した議会で過半数の賛成票が必要となります。
伊東市議会の定数は20。つまり、採決を欠席する“田久保派”市議が7人いれば、不信任案の可決を阻止できる」(前出・記者)
もともと欠員1だったため、解散により職を解かれた前職市議は19人。このうち18人が立候補する意向だ。選挙期間が短いため新人候補よりも前職が有利と見られるが、「気は抜けない」(前市議)という。
「地元紙の街頭アンケートで7割を超える市民が田久保氏の辞職を求めていた。ただSNS上では、前市議たちを『既得権益側』と位置づけ、田久保氏を応援するムードが醸成されつつあります」(前出・記者)

SNSの支持を背景に、田久保派候補の擁立準備は着々と進んでいるようだ。前出の知人が明かす。
「田久保派として出馬確実とされている候補は、現在3人いる。ですが、田久保氏は『市長に対する態度は曖昧にしておいて』と指示しているといいます。票が逃げることを警戒しているのでしょう」(田久保氏に指示の事実関係を尋ねると、「ご質問の事実は一切ありません」と回答があった)
では、その3人の候補とはどんな面々なのか。
「1人目は、市内に住む50代の男性です。もともとは都内でWebマーケティングなどをしており、2020年に伊東に移住してきた。23年の市議選に出馬し、田久保氏とネットで合同演説会を開くなど共闘していましたが、男性は落選。
ただ田久保氏との友好関係は続いており、田久保氏への批判が高まる中、市長続投を求めるオンライン署名運動を呼びかけた」(市議会関係者)
実はこの男性は、「週刊文春」既報の〈田久保市長が縋る陰謀論〉(9月4日号)にも登場する。この記事では、新図書館建設に反対する田久保氏が、建設推進派によって一連の騒動を仕組まれたという“陰謀論”が語られていると報じた。
この中で、前市議に対し、新図書館への言及に関する公開質問状を送った人物が登場する。これが当該男性なのだ。
「公開質問状は男性が運営するHPで公開され、記事のタイトルには『新図書館建設再開のため市長交代を計画した?』とある。“陰謀論”を踏まえた質問状であることは明らかです」(同前)
「週刊文春」記者が男性の自宅を訪ね、インターホンを鳴らすと本人が応じた。だが、
「時間ないので無理です」
とだけ語ると、その後は梨のつぶて。メールで質問状を送付したが、期限までに回答はなかった。
田久保派候補の2人目とされるのは、静岡県出身の60代の女性A氏だ。
「A氏は『コンテンポラリー風水師』として活動しています。『言霊メソッド』でなりたい姿を見つけ、その未来を叶えるための部屋作りをコンサルティングすると宣伝。メインのコースはセッションとコンサルが合計4時間で、お値段は33000円です」(前出・市議会関係者)
市内の政治団体の代表でもあり、田久保氏が当選した市長選では初期から選挙活動を手伝っていたというA氏。ブログでも〈わたし達市民が選んだ田久保まき市長を誹謗中傷するのはやめてくれ!!〉と熱烈擁護。「オールドメディア」への批判も綴られていた。
A氏の携帯を鳴らして「週刊文春」と名乗ると、
「あ、週刊文春さんは、申し訳ありません」
改めてメールで質問を送ったが、返事はなかった。
そして3人目の田久保派候補が、こちらも女性のB氏。田久保派の中で、最も当選可能性が高いと目される候補者だ。
「東京大学でイスラム研究をしており、文学博士号を取得。アフリカ支援を行う企業での経験もある国際派です。ドイツ人の男性と結婚しており、約1年前に伊東市に移住。田久保氏と同様にメガソーラーに反対しています」(前出・市議会関係者)
B氏は「週刊文春」記者の取材に応じ、「立候補するのは事実」として、こう語った。
「田久保さん支持というわけではない。けれど彼女は街を良くしたいと思っている人ですので、一緒にチームとしてやっていける方だと思っている。(出馬の)要請はされていませんが、2回ほど会って話し、立候補を決めました」
――学歴詐称問題はどう考える?
「早く説明した方が良かったとは思います。ですが、より強く怒りを感じるのは、学歴詐称という瑣末な問題を取り上げて本来の問題から話題を逸らしている市議たちの方です。田久保さんはメガソーラーを止めた実績がある。東洋大を卒業したからって街を変えられるんですか、って」
――当選したら不信任案は出す?
「出しません。市長選をやっている暇があったら商店街の活性化とかですよね。まずはメガソーラー(反対)で貢献された方をサポートして、一刻も早く伊東がやらなければならないことを実現します」
伊東市民の審判やいかに。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年9月25日号)

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