成年皇族となった悠仁さまが将来の皇位継承へと歩みを進めるには、この国の象徴に相応しい存在だと広く国民に認識されることが重要だ。そうしたなか、新たな問題が浮上した。ネット上の求人募集サイトに「皇室動画編集バイト」が多数掲載され、その業務内容が秋篠宮家を批判する動画の制作と思われるものなのだ──。
【写真】「クラウドワークス」上に掲載された皇室動画編集バイト
求人情報が掲載されたのは、ネット上で様々な仕事を発注・受注できる「クラウドワークス」だ。
仕事を依頼したい企業や個人が業務内容・納期、報酬などの諸条件を掲載すると、サイトの登録者がそれに応募する仕組みだ。フリーランスや副業を請け負う人に人気で、登録ユーザー数は累計600万を超えている。
同サイトで「皇室 動画」と検索すると、皇室に関する動画の編集やシナリオ作成などの案件が並ぶ。9月25日現在で「募集終了」を含めると722件がヒットした。皇室に関する動画制作のニーズが高いと窺える。
いくつかの案件を見ると、応募条件に「皇族が好きな方」「愛子さまが好きな方」などとある。報酬は「1本3000円」もあれば「5本で3000円」もある。
受注者のプロフィール欄を見ると、「副業で動画編集」を手掛ける会社員や、「在宅ワークをする専業主婦」など、30代から60代までの男女と表示される。映像編集のプロである必要はないようだ。
ITジャーナリストの三上洋氏が言う。
「こうした仕組みでYouTubeなどに投稿された動画には、生成AIなどで作られた台本をナレーションやテロップに落とし込むだけのものもあり、意外と簡単です。映像素材も使用箇所が指定されているはずです」
掲載された案件の多くには〈参考動画〉のURLが貼られている。その一つをクリックすると、数十万の登録者数がある皇室系YouTubeチャンネルが表示された。
動画タイトルには、秋篠宮家と天皇一家を比較するものや、紀子さまや佳子さまを取り上げたものが並ぶ。その多くが「紀子さまの振る舞いは皇族に相応しくない。雅子さまに嫉妬している」「悠仁さまの礼儀作法は愛子さまに比べ十分でない」といった趣旨で、確たる根拠なく秋篠宮家を貶めるような内容だ。とりわけ紀子さまに批判的なものが目立つ。前出・三上氏が言う。
「動画制作の手法や投稿パターンを見ると、投稿者に秋篠宮家を批判したい政治的意図があるというより、再生数を上げて広告収入を得る目的の可能性が高いと思います。10分程度の動画の場合、台本、編集を外注して数千円~1万円程度の制作費なら、5万再生で元が取れるはずです」
皇室関連が狙われやすい事情もあるという。
「皇族は公的な存在で、肖像権などについて他の著名人と比べて権利者から厳しく法的責任を問われにくいと投稿者サイドが考えるのでしょう。広告収入を稼ぐには理想的なコンテンツに映るのではないか」(同前)
皇室動画編集バイトを募集するアカウントや受注者、参考動画のチャンネル運営者は取材に応じなかったが、募集を掲載したクラウドワークスから、以下の回答があった。
「当社は個人が仕事を受発注できるプラットフォームを提供している立場であり、(中略)掲載される個々の仕事内容は、当社の指針を反映するものではありません。発注された仕事に関しては、利用規約や仕事ガイドラインに沿って禁止事項の違反を確認しており、違反が確認された場合は公開を差し止めております」(広報・IRグループ)
ガイドラインの禁止事項には、〈特定の組織・職業・人物(中略)などのあらゆる対象に対し、事実誤認や印象操作などがおこなわれる恐れがあると判断できる依頼〉などの記載がある。秋篠宮家に関する〈参考動画〉は該当しないのか改めて問うと「もし参考動画どおりに作成された場合は規約違反となる可能性があるため、該当の仕事の中断やクライアントの利用制限などを検討いたします」(同前)とした。
批判の矛先が秋篠宮家に向く理由について、皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう言う。
「長女の眞子さんと小室圭氏の結婚をめぐる問題で秋篠宮家への批判が過熱したことが始まりでしょう。悠仁さまの成年式があり、皇位継承者の立場が再注目され、ネット上の一部で批判が拡散していると考えられます」
対応すべき立場にあるのは宮内庁になる。
「宮内庁がインスタグラムで情報発信を始めたのは、秋篠宮さまの強い要望からとの話もあります。宮内庁を通してSNSの発信に力を入れ、偽情報や批判記事が飛び交う現状に対応したいとの気持ちからではないでしょうか」(同前)
宮内庁に聞くと「積極的な情報発信で皇室に対する国民の理解の増進に努めている。そのために定期的にインスタグラムで投稿することとした」(総務課報道室)と回答。
直面する新しい課題に、早急な対応が求められる。
※週刊ポスト2025年10月10日号