2020年に千葉県立高校の教育実習で指導教諭からパワハラを受けたとして、当時大学4年だった市原市の女性(27)が県に損害賠償を求めた訴訟で、県が約3124万円を支払うことで和解が成立する見込みとなった。
県教育委員会が25日の県議会文教常任委員会で明らかにした。
訴状などによると、女性は20年11月、県立京葉高での教育実習で、男性教諭から「お前みたいなやつがいるから、くずな教員ばっかりなんだよ」などと暴言を言われ、男性教諭の蹴ったごみ箱が足首に当たるなどの暴力を受けた。女性は5日間で実習を辞退。大学卒業後の21年7月には抑うつ状態と診断され、同10月には半年勤めた会社を退職した。
女性は23年11月、治療費など1020万円の支払いを求めて提訴。千葉地裁は、女性が就労できない今後10年間の損害額なども含めた3124万7431円の支払いを内容とする和解案を提示していた。
県はパワハラと抑うつ状態の因果関係について争ったが、県精神保健福祉センターから因果関係があるという意見を受け、和解を受諾した。県議会本会議の承認を経て、10月下旬に和解が成立する見通し。県は、男性教諭に請求するという。