「庶民に寄り添う」という言葉は口だけか…「小泉進次郎氏」総裁選で勝つために「ルール無視の大暴走」

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改革路線も独自色もない討論で盛り上がりに欠ける自民党総裁選。
派閥の政治資金パーティーの収入不記載をはじめ、『政治とカネ』の問題が1年以上も続く。国民の疑念は晴れないままで、今回の総裁選も政治とカネの問題を鑑み、「カネをかけない選挙戦」がテーマとなっている。そうした経緯の下、総裁選管理委員会は前年に引き続き、禁止事項を8つ定めた。
―饑辧⊃Щ翕物品を配布すること∧現颪鰺港等で送付することインターネット上に有料広告を出すことぅートコールによる電話作戦イ修梁勝金をかける行為ε浹ヾ愡罅惻由民主(個人版)』を利用しての運動С禿堝刺楔連が特定候補者を支援すること投票用紙(復信はがき)を集めること
選管が禁止事項を定めたものの、総裁選は自民党内の選挙で公選法の対象外だ。禁止事項に罰則はない。選管委員長の逢沢一郎氏(71)は「各陣営の良識に任せる」と語るように性善説で成り立っている。
前回の総裁選で、高市早苗前経済安保相(64)が自身の政策をまとめたリーフレットを全国の党員らに郵送したことが発覚。『∧現颪鰺港等で送付すること』に違反すると各陣営から怒りの声が上がるも、高市氏は「ルールが決まる前に郵送してしまった」と釈明し、注意に留まった。
前回注意の対象となった高市陣営のスタッフが「前回の反省もあり、徹底してカネをかけずにやっている」とし、こう続ける。
「カネをかけるな、というお達しを守って、政策ビラもA4のカラーコピーをホッチキスで留めていた。他の候補も似たり寄ったりでA4の用紙に顔写真が入る程度でカネをかけない政策ビラのなか、小泉進次郎農水相(44)はリーフレットを使用しているのに驚愕した。選管の定めた禁止事項『その他、金をかける行為』に違反している」
20日の出馬会見で報道陣にそのリーフレットが配られている。他陣営がA4の政策ビラのなか、進次郎氏の写真付きのリーフレットは「カネをかけている」のは明白だ。
その出馬会見でも他候補は衆議院第一議員会館内の会場で会見を開いていた。進次郎氏は出馬会見が遅れ、土曜日となったからだろうか、会場費5万5000円の東京・虎ノ門の民間の貸し会議室で出馬会見を行っている。
さらに20日の出馬会見で本誌記者が目にしたのは、写真にあるように配信用に持ち込まれた高度な専門の機材とそれを駆使するスタッフの姿だ。
22日の議員会館内で行われた進次郎氏の出陣式ではスタッフが1人増え、2人となり豪華な機材で配信されていた。都内にある配信業者に出陣式などの写真を見せるとこう分析した。
「ワイヤレスマイクに22チャンのミキサーでカメラ4台を切り替えている。回線が途切れないようにキャリア回線のアンテナも立てていますね。専門の配信業者に委託しているとみられます。
おそらく総裁選全期間で契約されていると思いますが、出陣式の1日であればカメラ、機材、オペレーター2人で相場は25万~30万ほど。出馬会見もカメラと機材、オペレーターで20万はかかるでしょう。個人的に高市さんの動画を観ていますが、手作りっぽい。進次郎氏の配信とは雲泥の差がありますね」
進次郎氏の周辺にはSNS部隊と思われるスタッフも取り巻いている。また、『選挙の神様』と呼ばれた藤川晋之助氏の亡き今、『当選請負人』の異名を誇る選挙プランナーの松田馨氏が22日は配信スタッフとともに陣取っていた。
「『カネをかけない』は各陣営の良識で異なるのだろうが、ITに明るい秘書が動画撮影をしているなか、映像の専門家が手がけるのは違うのではないか。候補のなかで1人だけリーフレットを配布してもいる。進次郎氏はもともと知名度が高いのにカネをかければ総裁選はより優位に展開できる」(同スタッフ)
小泉陣営に連絡すると、こう応じた。
「私たちも『お金をかけない選挙』を心がけています。党員にお配りするビラも、貴社ご指摘のカラーコピーよりも安価です。また、多くの方にボランティアでお手伝いいただいています。出馬会見は公務を最優先した結果、議員会館の会議室を使うことのできない土曜日になりました。公式YouTubeチャンネルで安定的に配信できるように、プロに依頼したところです。なお、総裁選にかかる費用は政治資金収支報告書にて、適切に報告いたします。
総裁選に関して、事実誤認による報道は党員の方の投票行動に大きな影響を与えます。以上を踏まえて、事実に基づいた報道をお願い申し上げるとともに、必要に応じて厳正なる対応を取らせていただくことを申し添えます」
総裁選管理委員長の逢沢氏の事務所に尋ねると自民党からこう返答があった。
「ご質問いただいた事実関係を承知しておりませんので、選挙管理委員長として見解を申し上げることは差し控えます。
総裁選管理委員会としては各候補者陣営に対して、党則、総裁公選規程及び実施細則、選管決定事項に基づいた選挙運動を行うよう求めているところであり、今後も公平・公正な総選挙が執り行われるように努めてまいります」
裏金問題を受けて行われる総裁選で各陣営が『カネをかけない選挙』を実践しているなか、小泉陣営が逸脱しているのは明白だ。前回の総裁選の話になるが、昼の弁当では、石破陣営がリンガーハットの皿うどん、高市陣営は宅配の唐揚げ弁当を食べて自民党員に電話をかけまくっている一方で、小泉陣営は叙々苑やKINTANの高級焼肉弁当やニューオータニのお弁当が振る舞われていた。
「物価高で生活が苦しい、という不満の声に向き合う」
総裁選で繰り返し、庶民に寄り添う言葉を口にする進次郎氏。まずはその金満政治を見直すべきではないだろうか。
取材・文:岩崎 大輔

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