74歳市議、職員に「もうけの1割はお礼するものや」…拒否され「ケツの毛まで抜いたる」

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滋賀県長浜市の押谷与茂嗣(おしたによもつぐ)市議(74)が市有財産の売却益の一部を渡すよう市職員に不当要求したり、威圧的な言動を繰り返したりしたとして、市が議会に再発防止を申し入れたことがわかった。
市の申し入れ書などによると、市が昨年11月、市内の県道に設置していた消雪装置を県に約6300万円で売却する仮契約を結んだことを巡り、押谷氏は、県に装置を買わせるよう提案したのは自分だと主張。昨年11月から今年10月にかけ、市の担当職員に「もうけた分の1割はお礼をするものや」と要求し、職員が拒否すると「ケツの毛まで抜いたる」と脅したなどとしている。
9月20日の市議会予算常任委員会の分科会では40分間に、市幹部を「お前」「イエスマン」と呼ぶなどの「侮辱的な言葉」が43回、答弁を遮るなどの「威圧的な言動」が78回の計121回あったとしている。
ほかにも、▽議員控室で浅見宣義(のぶよし)市長に「お願いしたいなら土下座してみい」と発言▽庁内の廊下で副市長の襟元をつかんだ――などと指摘している。
市は「本来の議員活動から逸脱した言語道断の行為」として11月、議会に徹底調査と是正を求めた。
押谷氏は取材や市議会に「感謝の意を示してほしかっただけで、金銭の要求は一切ない」と不当要求を否定する一方、襟元をつかんだ行為など言動の一部は認め、浅見市長に謝罪した。
市議会は7日、職員への侮辱的な発言や威圧的な言動による答弁の阻害で「市民の信頼を著しく失墜させた」として、辞職勧告決議案を可決した。決議に法的拘束力はない。可決後に議長から発言を許可された押谷氏は議場で、「信頼回復に向けて精進したい」と述べ、辞職を否定した。
押谷氏は無所属。同県浅井町議を経て、2006年2月に同町と合併した長浜市の市議に在任特例で就任し、同年7月から連続5回当選している。

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