東大赤門が“倒壊危機” 「東大150周年」の2027年に復活目指すが寄付も「足りない」 現役東大生は「くぐってみたい」「それより教育費を」意見様々

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“この門をくぐりたい”と受験生の目標にもなってきた東京大学のシンボル「赤門」。
しかし現在は耐震性の問題で“開かずの門”となっている状況です。その復活を目指したプロジェクトが現在進んでいるようです。
19日の「ソレってどうなの?」は、「東大赤門復活へ…寄付求めSOS」をテーマにお伝えします。
東大赤門を巡っては、2021年に屋根瓦や耐震性能の調査で、大きな地震や強風で倒れる可能性が判明しました。そのため、その年の2月から閉鎖。
赤門の前には近づけないよう柵が設置され、立ち入り禁止となり、開かずの門になっていて、屋根瓦の部分にはネットが張られています。
そうした中、2027年に赤門を再び開こうとプロジェクトが進行中なんです。
このプロジェクトを担当する東京大学の高橋麻子さんに話を聞きました。
東京大学ディベロップメントオフィス・高橋麻子副オフィス長:2027年に東京大学は150周年を迎えます。実は赤門も建立200年という記念の年を迎えます。その年(2027年)に開門を目指し計画を立てているが、国の支援や自治体の支援を受けながらも、やはり少しお金、資金も足りていない。
国からの交付金は教育研究などが優先。赤門の改修は後回しとなり、資金が足りていない状況だといいます。
そのため、東大周辺の商店街の掲示板や店先など、様々な場所にポスターが貼られ、寄付が呼びかけられています。
東京大学ディベロップメントオフィス・高橋麻子副オフィス長:まだちょっと足りていないです。赤門の修復だけでなく 赤門周辺の歴史的な環境整備事業という形で、150周年記念事業を検討しております。まだ工事も始まっていませんが、寄付の集まり状況に応じて周辺の整備事業の規模が固まってくる。
これまでに2億3000万円ほどが集まっていますが、目標の10億円にはまだ足りていません。
寄付集めが苦労する中で、寄付した人には特典があるといいます。
東京大学ディベロップメントオフィス・高橋麻子副オフィス長:新しく設置する赤門の新瓦に寄付者の名前を記載する謝意を用意しています。
寄付額に応じて、寄付した人の名前が屋根に設置される瓦の裏側に記載されるといいます。
閉ざされてから4年以上がたつ赤門。くぐったことがないという現役東大生も多い中で、このプロジェクトを皆さんどう受け止めているのでしょうか。
東大生に話を聞くと「(Q. 赤門くぐったことは?)ないです。でも大事な建物なので今後も残していってほしい」「1回はくぐってみたかったです。(Q.2027年に赤門開くプロジェクトがある)へぇ!そうなんですね。今初めて知りました。僕がくぐる可能性があれば、くぐりたいですね」など期待の声がある一方で、「特に赤門への気持ちみたいなのはあまりないかも。正直、赤門どうこうよりも、教育費に回してくれた方がいいのかなと。ただ赤門開くぐらいならそんなにお金もかからないのかなと思う」という声も聞かれました。
青井実キャスター:中村さん、どう思いますか?
SPキャスター・中村竜太郎氏:担当者の方が寄付が足りないとおっしゃっていましたが、重要な文化財ですし、安全上の問題もありますから、このプロジェクトは成功してほしいなとは思いますね。
さらに東大の改修事情を巡っては、赤門だけではありません。
生物学の研究拠点、理学部2号館も老朽化が深刻化。壁が剥がれて床は傾き、窓が閉じないなどといった状態で存続の危機に陥っています。
そのため、理学部2号館を救うための寄付金集めも行われているんです。
経営に悩む東大。2025年度から授業料を20年ぶりに値上げしました。さらに近年、基金の運用益も教育研究に充てています。
しかしその基金は、海外の主要大学と比べると、アメリカのハーバード大学は7兆円超え、イギリスのオックスフォード大は1兆円ですが、東大はわずか299億円です。
東大のシンボル「赤門」は復活を遂げるのか、プロジェクトの行方に注目です。

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