「今から実家に行くぞ」「最高裁までやってやる」「保険の脱退手続きはしない」―。
【写真】退職連絡時、会社から言われた衝撃的な言葉
退職連絡時に、依頼先の会社からこうした言葉を浴びせられたとする投稿がX(旧Twitter)で、大きな反響を呼びました。投稿したのは、退職代行サービス「退職代行モームリ」さん(@momuri0201)です。
同サービスを運営するスタッフに取材し、現場での実態や利用者への影響を聞きました。
今回のやり取りは、退職代行モームリのスタッフが依頼者の会社へ電話を入れた際のもの。相手は依頼者の退職に納得せず、感情的な発言に及んだといいます。
印象に残った言葉としては、冒頭の「今から実家に行く」以外にも…
「こっちがモームリだよ」「法律なんか知らない、会社の規定がすべて」「ちなみに俺だったらいくらで退職できるの?」など、思わず耳を疑うような内容もあったといいます。
ただし、こうしたケースはあくまで一部とのこと。
「9割の会社はスムーズに、丁寧に対応いただいております」と担当者は話します。多くの場合は穏やかに退職手続きが進むものの、ごく少数の会社では今回のように強い抵抗や脅しに近い発言があるのだそうです。
中でも「保険の脱退手続きはしない」との発言は、X上でも「会社にメリットがない」「国から怒られるだけ」と話題になりました。
モームリによると、実際にそのような対応をとる会社もあるものの、長期的に成立するものではなく、年金事務所や労働基準監督署などに催促できるといいます。
退職代行が依頼者に代わって意思を伝えても、「本人からの連絡がなければ退職を認めない」とする会社もあるとのこと。そのため、利用者にとっては精神的な負担が増える可能性があり、会社から直接電話がかかってくるリスクも残ります。
モームリではこれまで40000件以上の退職を成立させてきました。
しかし同社は「本来は自分で退職を伝えられることが理想」と考え、退職の仕方をサポートする「セルフ退職ムリサポ!」をはじめ、学生向けに企業の見極め方を伝える「MOMURI+」などの取り組みも進めているといいます。
「退職代行を使わざるを得ない現実があるのも事実。『もう無理』となる前に、お守り代わりに相談してほしい」と担当者は話しました。
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SNSに投稿された“衝撃発言”は確かに稀なケースですが、退職の現場に潜む現実を浮き彫りにしました。
「退職は権利」と頭では理解していても、実際には会社側の圧力により声を上げにくい人が多いのも事実。今回の事例は、退職代行サービスの存在意義とともに、働く人が安心して次のステップに進める社会の必要性を改めて考えさせられる出来事となりました。
【退職代行モームリ代表 谷本慎二】岡山県生まれ。大学卒業後、東証一部上場企業に入社し、サービス業に従事。入社5年でエリアマネージャーに昇格。首都圏を中心に新店舗の立ち上げ責任者を6店舗経験。勤続約10年を経て退社。2022年に株式会社アルバトロスを設立。事業として退職代行モームリを運営。サービス開始3年で、利用者は30000名を越え、業界最大手となる。メディア出演(TV、雑誌、新聞、海外メディア含む)は累計500社以上となり、離職率低下のための講演会依頼も多数受けている。社員数:61名、拠点:東京都品川区西五反田3-6-32 TERRACE SITE GOTANDA 2階【相談無料】日本全国24時間対応(電話0120-72-5502)
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)