紀伊國屋書店店舗、書籍紹介投稿を「差別的な表現を助長しかねない可能性」で削除 対応めぐり賛否の声

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大型書店チェーン・紀伊國屋書店の本町店(大阪市中央区)が2025年8月31日、Xでの書籍紹介の投稿について、謝罪の上で削除した。
発端となったのは、本町店が【新書おすすめ】として31日に投稿した書籍の紹介ポストだった。
ルポライターの石神賢介氏による著書「おどろきの『クルド人問題』」(新潮新書)について、「実際に埼玉県川口市に住んでみることで見えてきた、『多文化共生』という理想と現実のおどろくべきギャップ。現地から生まれた体感型ノンフィクション!」と説明していた。
この投稿に対し、埼玉県の鶴ヶ島市議会議員・福島恵美氏が「書店としてさまざまな本を置くのは100歩譲って認めるとして、せめてヘイト本を宣伝しないで欲しいです」と反応。「今からでも宣伝をやめ、ヘイト本は『ヘイト本研究棚』でも作ってそこに収めてください」と批判した。
この他にも、クルド人問題を扱う書籍の紹介について、一部から「ヘイト行為だ」などとする批判の声が寄せられた。
本町店は同日、「このたび当店SNSにて先日紹介した書籍について、差別的な表現を助長しかねない可能性があったことを真摯に受け止めております。ご不快な思いをされた皆さまには深くお詫び申し上げます。また、該当投稿は削除いたしました」として、投稿を削除した。
続く投稿では、「今後は発信の際に十分な確認を行い、再発防止に努めるとともに、読者の皆さまとの信頼関係を大切に情報発信してまいります」としている。
福島氏は同店の対応をめぐり、Xで「『差別的な表現を助長しかねない可能性があった』ではなく、差別の助長、差別扇動への加担であったと認識していただきたいです」と改めて批判。
「差別は『ご不快な思い』が問題なのではありません。社会的責任を負う書店として反差別を明確に打ち出した経営をしてください」と主張した。
SNSでは、同店の対応を支持する声もある一方で、投稿の撤回に懐疑的な反応もある。

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