佐賀県伊万里市の民家で母娘2人が侵入してきた男に襲われて死傷した事件で、ベトナム国籍の技能実習生、ダム・ズイ・カン容疑者(24)が17日、強盗殺人罪などで起訴され、亡くなった椋本舞子さんが母親をかばって殺害されたことが指摘された。
椋本さんの友人らは悲しみを新たにするとともに、裁判での真相究明を求めた。
椋本さんと8年ほどの付き合いがあったという友人は、起訴を受け、「裁判で真相が明らかにされ、きちんと処罰されてほしい」と語った。
佐賀市内のバーで、互いに客として知り合い、肩書などを抜きにした交友を続けてきた。仲間たちと椋本さんが働く中国に遊びに行ったこともあったという。語学が堪能で、読書家であり、趣味も多彩だったという椋本さんは、「ムードメーカーで、みんなを引っ張っていく存在。他人を思いやれる人柄で、いろんな人が影響を受けたと思う」と振り返る。
何より、一人で生活していた母親のことを気にかけていたという。検察は椋本さんが母親をかばい、殺害されたとしている。「(母親思いだった)彼女が取りそうな行動だ」と思いやった。
「無念だっただろうと思う。彼女は漠然と生きているのではなく、目的を持って生活していたから」と悼む。今月末にも会う予定だったという。
また、椋本さんがよく通っていたという佐賀市内のバーの店主も、「人を殺(あや)めるところまでする必要があったのか、全く理解できない。法律できちんと裁いてほしい」と話した。(近縄志季)