安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境

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昨年は米大統領選に勝ったトランプ氏、今年5月にはロシアのプーチン大統領と面会し、大きな波紋を広げた安倍昭恵夫人。その影響力や人脈を頼りに、「出馬」を願う声が上がっているという。地元・山口県の自民党関係者はこう嘆く。
【写真】向かい合うプーチン大統領と安倍昭恵夫人ほか
「衆院の区割り改定と安倍晋三・元首相が亡くなったことで、安倍さんの地盤だった山口旧4区(現3区)は、長くライバルだった林芳正・官房長官の天下になっています。“林派”に冷や飯を食わされる“安倍派”の地方議員はお先真っ暗。
そんななか、『安倍事務所の再興を』との声が出ています。昭恵さんに出馬してもらって地盤を取り戻し、“安倍派”地方議員を復活させてほしい。ただ、昭恵さんは安倍さんの命日に墓所がある油谷(長門市)に来たようですが、旧安倍事務所があった下関には立ち寄っていないようです」
地元・山口だけではない。中央政界からも出馬を請う声が出ているという。自民党関係者はこう言う。
「前回衆院選も今回参院選も、大敗は石破(茂)さんの責任でしょう。私たち自民党が負けた、というより、石破さんが負けた、というのが正直な気持ちです。だから、私たちにとっては、安倍さんの弔い合戦はまだなんです。
今回、安倍さん支持だった人たちの票が参政党に流れてしまった。石破さんでは党内がまとまらないという証拠だと思います。今の政治は安倍さんがやろうとしていた政治ではない。
昭恵さんが出馬して、旧清和会(安倍派)を新しいグループとして復活させ、その顧問に就いてほしいという声もある。トランプにもプーチンにも物怖じせず、直接話すことができる昭恵さんへの期待は大きい」
とはいえ、安倍氏が亡くなった後の補選では、後援会が昭恵夫人に出馬要請して固辞された経緯がある。当日の山口4億補選には吉田真次氏が出馬して勝利したが、その後に区割り改定を受けて比例に転出せざるを得ないかたちとなった。そうしたなかで、昭恵夫人への出馬待望論が再度浮上するほど、自民党も旧安倍派も苦境ということだろう。

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