松本市の中学校で不適切対応、中1女子が自殺図る…持病や発達特性の情報を教頭が担任に共有せず

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長野県松本市内の市立中学校で2023年度、学校側の不適切な対応により、当時中1の女子生徒が、自殺を図っていたことが8日、分かった。
市が同日の市議会経済文教委員協議会で、第三者組織の調査報告書を公表した。
報告書によると、女子生徒には持病や発達特性があるため、入学前に小学校の校長らとの支援会議が行われた。当時の教頭は同会議に出席していたにもかかわらず校内に共有せず、事情を知らない担任が23年4月の入学直後から配慮のない言葉を投げかけ、女子生徒は同年6月にカッターナイフで手首を切った。
報告書ではこのほか、別の中1女子生徒が、いじめにより心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した事例も掲載。生徒は22年4月の入学直後から、同じバスケットボール部の女子2人に、無料通信アプリ「LINE」で誹謗(ひぼう)中傷や脅迫と受け取れるメッセージを送られたり、顔をたたかれたりするなどして登校が困難になり、23年4月に診断を受けた。
2件とも、市長がいじめ防止対策推進法に基づく重大事態と認定し、「市いじめ問題対策調査委員会」が調査していた。報告書と保護者の所見は近く公開される。「再発防止に生かしてほしい」と両保護者が望んでいるという。

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