正解のない「子育て」は悩み、迷うことの連続ですよね。現在ESSE onlineにて連載中で、ささっとつくれてちゃんとおいしいレシピが大好評の爆速レシピクリエイター ・およねさん(@oyone.gram)も、2人の子どもを育てる中で何度も壁にぶつかった経験があるそう。「私が変わったら、子どもも変わったんです」と話す、およねさんの体験談や子育てで意識していることを伺いました。
長女を出産したのは、28歳のとき。当時は新卒で入社した企業でバリバリ働いていたというおよねさんですが、出産後はほぼワンオペの育児と仕事の両立が難しく、最終的に退職を選んだといいます。
【写真】およねさん家の長女・長男
「私はもともとキャリア志向で仕事も大好きだったので、退職することになったときは悔しかったです。その後は残業のない事務の仕事にきり替えましたが、長男も生まれて結局は落ち着かず。本当に1人で子育てしている状態でした」とおよねさん。
当然子どもたちは夫よりおよねさんの方に懐き、およねさんも「とにかく自分で全部やらなきゃ!」と一生懸命になりすぎていたと振り返ります。
「とくに長女はとても繊細なタイプで、保育園の登園時も毎朝泣いて、常に『ママじゃなきゃダメ』状態。そんな状態なので、学校の勉強についていくのも大変で、親としては心配になる成績ばかりで…。『この子はこの環境にいるだけで大変なんだから』と自分自身に言い聞かせても、どうしても怒りに近い感情が芽生えてしまったり、『もう塾に行かないとダメだ!』と焦ったり…」
およねさんの方が追い詰められ、ずっとイライラしていたといいます。
そこに大きな変化が訪れたのが、2021年の秋。夫の卓也さんが適応障害になって仕事を辞めることになったのだそう。
「本当にびっくりしました。今後の暮らしをどうするかで頭がいっぱいになり、就職活動をしたりもして、正直娘の勉強どころではなくなってしまったんです」
でも今振り返ってみると、逆にそれがよかったのかも…とおよねさん。
「私が別のことに夢中になっている間に、娘は友達と遊ぶようになったり、少しずつ周囲の環境にも慣れていって、だんだんと変な緊張感やストレスも薄れていきました。私が変わったことで、娘も変わったというか、もしかしたら私が子どもに集中しすぎていたことが、娘の負担になっていたのかもしれないと気づきました」
その後はいい関係が続き、今に至っているとのこと。
レシピクリエイターとして活躍中のおよねさん。子どもへの「食育」についてたずねると、「今は全然意識していない」と意外な回答が。
「かつてワンオペ育児で行き詰まっていたときは、それこそ『無農薬の野菜、無添加のものにこだわらなきゃ』とか、『残さず食べさせるようにしなきゃ』と思っていました。ただ、結局それでみんなが幸せだったかというと、そうではなかったんですね」
そこで「自分たちにとっての幸せ」を考え直し、子育てに関しても、思い込みをやめようと考えるように。「好きなものを食べて、そこからごはんや料理を好きになってくれたらそれでいいよね」という考え方にきり替えたそうです。
「今は子どもが『今日はごはん食べたくない』と言えば尊重しますし、チョコパンなら食べられるということであれば、『じゃあそうしてね』と伝えます。私もつくりたいものをつくっているので、『せっかく家族のためにつくったのに!』というストレスはなく、ちょうどいいかなと思っています」
「食育」として意識することはなくても、楽しく料理をするおよねさんの姿を間近で見ている子どもたちは、少しずつ料理にも興味をもってきているのだとか。
「私が料理をしている横でやりたそうにしていたら、『お野菜を洗ってくれる?』とか、『お米を研いでくれる?』と声をかけています。それでさらに興味が深まったり、楽しいと思ってくれたらうれしいですね」
食事に関して決めているのは、「食事中はスマホやiPadを見ない」ということだけ。
「ただ、息子がどうしても…というので、週に1回だけ自分で見る日を決めさせて、その日だけは見てもいいことにしました。私たち親も、仕事などでチラッとスマホを見てしまうことはありますので、そこは譲歩しました(笑)」
自分自身が「受験戦争」を勝ち抜き、世間でいう「成功ルート」を目指してがんばってきたというおよねさん。子育てをスタートした頃は、娘に対しても「塾に通い、中学受験をしていい学校に入り、大学を出て大手企業に就職してほしい」という未来を考えていたといいます。
「今は、必ずしもそうでなくていいと思っています。家族がピンチを迎えたことで、価値観のアップデートができたことは大きなことでした。だからこそ子どもたちには、いろいろな可能性があることを伝えていけたらと思っています」