「残業なんてコスパ悪い」と定時退社する息子。最近の若者は“残業”を嫌う傾向に? コスパではかれない残業の“メリット”とは

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組織開発・人材育成を支援してきたALL DIFFERENT株式会社と、「人と組織の未来創り」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所によって2025年3~4月に実施された「新入社員意識調査」によると、今後3年間の会社での労働時間についての考えとして、「定時に帰りたい」と回答した割合は44.6%と最も高い割合の回答でした。この44.6%という数値は、2014年度の新入社員よりも17.2%高くなっています。一方、「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」と回答した割合は11.3%、「毎日残業でも構わない」と回答した割合は5.4%にとどまりました。こうした結果からも、近年の新入社員が働きすぎない働き方を重視している傾向がうかがえます。
それでは、なぜ若者は残業を嫌うのでしょうか。その理由として、「残業はコスパが悪い」という考え方があるようです。残業時間が長くても、それに見合う給与や評価が得られなければ、単なる時間の浪費と感じられてしまいます。時間あたりのリターンが薄いほど、「コスパが悪い」と感じやすくなるでしょう。また、残業のデメリットはほかにも考えられます。残業が続くと、睡眠時間や趣味の時間、家族とのコミュニケーションが犠牲になりがちです。その結果、心身の健康が損なわれてしまう可能性があります。さらに、「残業しないと評価されない」風潮が残ると、新入社員や若手が帰りづらくなり、結果的に長時間労働が常態化し、ワークライフバランス改善の足かせになるケースも少なくありません。
残業にはデメリットがある反面、メリットもあります。まずは、残業代についてです。時間外手当が適切に支払われるなら、収入アップにつながり、生活費の補てんや貯蓄に使える余地が広がるでしょう。日中の雑務や会議が終わった後の時間にこそ、じっくりと仕事に集中できるという人も多くいます。特定分野でのスキルアップや成果向上を狙いたい人には有効な時間となるかもしれません。また、職場によっては、遅くまで残る姿勢が「熱心」「責任感がある」と評価され、昇給につながることがあります。ただし、そのような文化が固定化すると長時間労働が常態化し、組織全体の健全性や持続可能性が損なわれるおそれもあります。
近年の若者を中心に「残業はコスパが悪い」「定時で帰りたい」と考える傾向が広がっています。確かに、残業には自由時間の減少や心身の負担といったデメリットがありますが、場合によってはスキル習得や収入増加、評価向上といったメリットになり得る側面もあります。大切なのは、残業そのものを一律に良い・悪いと判断するのではなく、自分にとっての働き方の価値を見極め、納得のいく時間の使い方を選ぶことなのかもしれません。
ALL DIFFERENT株式会社 新入社員意識調査2025(3933人の仕事の価値観編)(PR TIMES)執筆者:FINANCIAL FIELD編集部ファイナンシャルプランナー

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