立憲民主党の小沢一郎衆院議員が2025年7月1日、小泉進次郎農水相のX投稿を引用し、批判した。
小沢氏が問題視したのは、小泉氏が6月29日に投稿した「JA福井県五連 宮田会長、直接お話しませんか?」とのポストだ。
備蓄米の放出をめぐり、JA福井県五連の宮田幸一会長が「消費者目線でとにかくコメを下げなあかん。これ一点張りに来ているので、生産者に向き寄らない」「やったことは仕方ない。我々が心配するのは、せっかくコメの価格が上がったのに30年ぶりに上がったわけ。(5キロ)2000円台で買えるという雰囲気になると困る。農家の皆さん全部廃業です。今の価格でいったら」などと訴えていたことを受け、小泉氏が直接対話を呼びかけた形だ。
これに対し小沢氏は、「直接電話をすればいいものを、わざわざ公然とSNS上で晒し者にする。これではまるで権力者によるあからさまな脅しではないか?」と批判。
「大臣としてあまりに品位に欠けるのではないか?」と断じた。
さらに同日、JA秋田中央会の小松忠彦会長が「安けりゃいいでは、(専業農家が)いなくなる」と小泉氏の政策を批判したことに対し、小泉氏が「直接お話しましょう。お会いするのを楽しみにしています」と呼びかけた投稿にも言及。
小泉氏の投稿について「これでは『直接言えるものなら言ってみろ、俺は大臣だぞ』と脅しているようなもの」としたうえで、「大臣の権限は強大。それを分かってやっている。悪質。JAも選挙で散々政治利用されて大臣のこの態度。いい加減、怒るべきだろう」と続けた。
小沢氏の投稿をめぐっては、「パフォーマンスに余念がなさすぎて。話をしたいなら、SNSじゃなくて直接電話でいいですよね」「国務大臣が、呼びつける。恫喝と取られても仕様がないですね」などと共感の意を示す投稿もある。
その一方で、「え、では貴方も小泉さんに直接電話するなりしてその旨を注意して差し上げればどうですか?? わざわざ晒し者にせずとも」「ブーメラン大会会場はここですか?」「毎回思うんだけど、何で自分がやってきたことなのに、他人には言えるの?笑」といったツッコミも相次いだ。
小沢氏の発言に「ブーメラン」との声が寄せられる背景には、自身の過去のエピソードの影響もある。
1991年、自民党幹事長を辞任した小沢氏が、経世会(竹下派)の会長代行に就任した直後のことだ。海部俊樹内閣の総辞職を受け、宮沢喜一氏、渡辺美智雄氏、三塚博氏の三氏が後継の総裁選に名乗りを上げる中、小沢氏は3人を個別に呼び出し、永田町の自らの事務所で個別に会談を行った。各会談は報道陣にも部分的に公開された。
60~70代の有力政治家を当時49歳の小沢氏が「査定」するかのような構図になったことで、「面接」「口頭試問」といった見出しが新聞各紙を飾り、話題を集めた。