「与党に有利」と物議も──参院選“連休中日”が投票日に SNS「姑息すぎる」「投票率を下げて組織票で勝つため」…実際は?

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参議院議員選挙の投開票日が、3連休の中日である7月20日に決まりました。SNSでは批判の声が上がり、Xでは「連休」などを含む投稿が多くなっています。野党議員からも「与党が得をするのでは」という意見が出ていますが、実際はどうなのでしょうか?■Xで「選挙」「3連休」含む投稿藤井貴彦キャスター「24日、参議院議員選挙の日程が正式に決定しましたが、この日程が一部で物議を醸しています。7月3日に公示、そして投票日は7月20日の日曜日となっています。翌21日が海の日となっていますので、三連休でお出かけする方も多いのではないでしょうか」

「そんな三連休の中日が投票日と重なったためか、SNSでは『投票率を下げて組織票で勝つため』、『投票日の選定が姑息すぎる』といった批判の声が出ています。Xでは『選挙』『連休』『三連休』『3連休』という言葉を含む投稿が、6月中旬から多く見られました」長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)「私も実際に、『連休中日にしたことは何か思惑があるのではないか』というSNSのつぶやきを目にしました」「本当にそうなのかと深掘りする必要がありますし、1つ1つの言葉や情報を鵜呑みにしないよう、しっかり自分の考えを持つことが大切になってくるかなと思います」■野党議員から疑問「与党の優位」藤井キャスター「連休の中日に国政選挙の投開票が行われるのは1952年以降、現在の選挙制度になってからは補欠選挙を除くと初めてで、異例の日程だということです。ただ、国政選挙の日程の決め方は公職選挙法で定められています」「今回の場合は『国会の閉会から24日以後、30日以内』と決まっていて、7月16日~22日の中で投開票を行わなければなりませんでした。林官房長官もこの規定の中で、『例年参議院選挙が行われていた日曜日に決定した』と話しているということです」「ただ、野党側の議員は『3連休は外出する人が多く、投票率が下がる。投票率が下がると支持基盤が強い自民・公明の与党の優位』、立憲民主党の小川幹事長は『よもや、よこしまな動機がないことを期待したい』と話しています」■与党の支持母体や組織の力は今?藤井キャスター「与党側が得をするのではないかという意見が野党側から出ていますが、実際はどうなのでしょうか?」小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員「確かに私が選挙の取材をし始めた約30年前には、支持母体や組織がしっかりしている自民党や公明党の支持者は、無党派層に比べて、たとえ祝日でも投票に行く傾向が強いとされていました」「ただ最近は組織の高齢化などに伴い、その力に陰りが見えてきています。2003年から始まった期日前投票が一般に広まってきていることもあって、実際の投票行動を分析しても、必ずしも与党に有利ではありません」藤井キャスター「今後、投票日を連休の中日ではなく、例えば最終日にするといった議論が与野党の間であってもいいと思います。3連休を楽しみたいという方は、期日前投票の期間がある程度しっかり確保されているので、連休の前に投票するのはいかがでしょうか」(6月24日『news zero』より)◇ ◇ ◇選挙にまつわる候補者の発言や動画などで、偽の情報や誤った情報と思われるものがあれば、「日テレ情報提供サイト」に情報をお寄せください。いただいた情報のうち、特に選挙に影響を与えそうなものについて、日本テレビ報道局が検証します。
参議院議員選挙の投開票日が、3連休の中日である7月20日に決まりました。SNSでは批判の声が上がり、Xでは「連休」などを含む投稿が多くなっています。野党議員からも「与党が得をするのでは」という意見が出ていますが、実際はどうなのでしょうか?
藤井貴彦キャスター「24日、参議院議員選挙の日程が正式に決定しましたが、この日程が一部で物議を醸しています。7月3日に公示、そして投票日は7月20日の日曜日となっています。翌21日が海の日となっていますので、三連休でお出かけする方も多いのではないでしょうか」
「そんな三連休の中日が投票日と重なったためか、SNSでは『投票率を下げて組織票で勝つため』、『投票日の選定が姑息すぎる』といった批判の声が出ています。Xでは『選挙』『連休』『三連休』『3連休』という言葉を含む投稿が、6月中旬から多く見られました」
長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)「私も実際に、『連休中日にしたことは何か思惑があるのではないか』というSNSのつぶやきを目にしました」
「本当にそうなのかと深掘りする必要がありますし、1つ1つの言葉や情報を鵜呑みにしないよう、しっかり自分の考えを持つことが大切になってくるかなと思います」
藤井キャスター「連休の中日に国政選挙の投開票が行われるのは1952年以降、現在の選挙制度になってからは補欠選挙を除くと初めてで、異例の日程だということです。ただ、国政選挙の日程の決め方は公職選挙法で定められています」
「今回の場合は『国会の閉会から24日以後、30日以内』と決まっていて、7月16日~22日の中で投開票を行わなければなりませんでした。林官房長官もこの規定の中で、『例年参議院選挙が行われていた日曜日に決定した』と話しているということです」
「ただ、野党側の議員は『3連休は外出する人が多く、投票率が下がる。投票率が下がると支持基盤が強い自民・公明の与党の優位』、立憲民主党の小川幹事長は『よもや、よこしまな動機がないことを期待したい』と話しています」
藤井キャスター「与党側が得をするのではないかという意見が野党側から出ていますが、実際はどうなのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員「確かに私が選挙の取材をし始めた約30年前には、支持母体や組織がしっかりしている自民党や公明党の支持者は、無党派層に比べて、たとえ祝日でも投票に行く傾向が強いとされていました」
「ただ最近は組織の高齢化などに伴い、その力に陰りが見えてきています。2003年から始まった期日前投票が一般に広まってきていることもあって、実際の投票行動を分析しても、必ずしも与党に有利ではありません」
藤井キャスター「今後、投票日を連休の中日ではなく、例えば最終日にするといった議論が与野党の間であってもいいと思います。3連休を楽しみたいという方は、期日前投票の期間がある程度しっかり確保されているので、連休の前に投票するのはいかがでしょうか」
(6月24日『news zero』より)
◇ ◇ ◇選挙にまつわる候補者の発言や動画などで、偽の情報や誤った情報と思われるものがあれば、「日テレ情報提供サイト」に情報をお寄せください。いただいた情報のうち、特に選挙に影響を与えそうなものについて、日本テレビ報道局が検証します。
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