【町岡 マチ子】2回目のデートで「子作りしよう!」と言われて…のべ1000人と出会ってきた「マッチングアプリ活動家」が出会った「ヤバすぎる男たち」

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2024年、日本の出生数が70万人を下回り過去最少を記録したことが報告された。婚姻数も減少傾向にあるが、恋愛経験の少ない若者が多くことも要因と言われる。マッチングアプリ活動家の町岡マチ子さんは婚活中にクセ強男性と遭遇したこともあるという。驚愕のエピソードを明かす。
前編記事『東京都の「マッチングアプリ」サービス開始から約2年…多額の税金を投入しても「成婚」が増えない「納得の理由」』に続き、驚きのエピソードを明かす。
2024年、日本人の出生数は初めて70万人を割り、過去最少となった。一方、婚姻数も低水準が続いており、2023年には50万組を割り込んでいる。2024年は若干増加したものの、依然として減少傾向に歯止めはかかっていない。
とはいえ、「結婚したい人」がいなくなったわけではない。子ども家庭庁が令和6年に高校生から30代までの男女1万8000人を対象に行った「令和6年度『若者のライフデザインや出会いに関する意識調査』」では、未婚者の6割が「結婚したいと思っている」という結果になった。つまり「結婚したくてもできない人」が増えているのだ。
筆者はマッチングアプリだけでなく、結婚相談所も荒ら……活用してきたが、そこで痛感したのは、“出会いの場づくり”よりも、“恋愛を進める力”のほうが圧倒的に必要だということだ。
サッカーで言えば、目の前にゴールがあるのにシュートしない。パスをもらってもオロオロしているうちに、ボールを奪われてしまう。そんなもどかしさを感じる場面が何度もあった。実際に出会った、クセ強めの男性たちのエピソードを紹介しよう。
まず、筆者が結婚相談所を介して出会ったのは某大手マスコミにお勤めのユウジさん(仮名・50代)。その優しい笑顔に惹かれて、すぐに仮交際を申し込んだ。
「なぜこの人がバツなし独身?」と思うほど何事もスマートで、女性のエスコートにも慣れている。人混みの中で急に立ち止まって写真を撮る外国人観光客と私がぶつかりそうになった際、すっとさりげなく私を引き寄せてくれた姿に胸がときめいた。
しかし、すぐにその問いへの答えがわかる。常に仕事の話しかしないのだ。
私も同業でかつ、会話は常に敬語。デートのはずなのに、上司と話している気分だ。
とはいえ、これまで会ってきたお見合い相手と比較するとかなりいい。この人とならうまくやっていける気がする。そう思った私は、「もう少し恋愛や結婚の話がしたい。距離も縮めたいので、タメ口にしたい」と仲人さん経由でユウジさんにお伝えした。それに対して返ってきた言葉は──
「タメ口に慣れていないので難しいです。それにグイグイ来られて戸惑っている。これまで自分が“好きになるタイプ”だったので、待ってほしい」(ユウジさん)
(……は? 何のためにお見合いしてんだよ、何のために“仮交際の目安3ヵ月”って決まってんだよ。50過ぎてオトメみたいなこと言ってんじゃねぇ)とがっかり。
その後、しばらく付かず離れずの関係を続けていたが、仮交際から半年後……ついに私から交際終了を申し出た。
もう一人、なかなか難しい男性に遭遇した経験がある。
筆者が出会ったのは、海外赴任から戻ってきたばかりのタダシさん(仮名・50代)。
海外生活の話も楽しく、イケオジなのでもちろん仮交際に。初めてのデートで訪れたのは、彼の友人が経営するという焼鳥屋さんだった。当たり障りない会話をしながらも、少しずつ話題は結婚観について──まぁ、お見合いでは当然の流れだ。
「マチ子さんは、子どもは欲しいと思いますか?」(タダシさん)
「年齢的に必ず授かれるかはわかりませんが、できれば欲しいと思っています」(筆者)
すると、なぜか急に覚悟を決めたような顔をする彼。やや鼻息の荒さすら感じる。
「わかりました、じゃあ子作りしましょう!!」(前出のタダシさん)
何言ってんだ、こいつ。会うの二回目だぞ。距離感バグってんのか。
「そうですね」と同意したらさらに鼻息が荒くなりそうだし、「イヤです」と面と向かって言えないし、もはや「は、はぁ」と曖昧に笑って返すしかない。視界を遮るほど焼き鳥を焼く煙が充満した店内で、(初デートでこの店を選ぶセンスよ……)と思いながら、ひたすら早く帰れることを願うのだった。
これらはあくまで私の実体験であり、マッチングアプリや結婚相談所にいる男性が全員そうであるという訳ではない。筆者も当然、理解している。ただ、なかなかの猛者がそろっている、という現状も伝えられたのではないだろうか。
正直なところ、マッチングアプリにしても結婚相談所にしても、無双するのはそれなりに恋愛経験を積んだ“恋愛強者”である。
2025年2月に実施された「ペアフルコラム調査」では、アプリ利用者のうち女性46%、男性25%が交際・結婚に発展したと回答している。特に結婚まで至ったのは女性が11%、男性はわずか4%にとどまり、恋愛経験や“押しの強さ”が結果を左右していることがうかがえる。
実際「そもそも恋愛の仕方がわからない」「アプローチが苦手」といった声も少なくない。
子ども家庭庁の調査によると、出会いの場所・機会がなかった理由として「自分に自信がないから」が約6割で最も高く、次いで「積極的にアプローチすることが得意でない」「人が集まる場が苦手」「積極的に人と会いたいと思わない」として挙げられた。
また、キャリアやマネーなど「ライフプランを考える上で学んでおきたい情報は?」という問いに、「コミュニケーションの方法」「結婚や結婚生活に関する情報」「結婚の仕方」「出会う方法」と回答。
結婚のハードルとして、「恋愛の仕方がわからないこと」「自分が結婚しているイメージができないこと」を挙げる人が多かった。
以上の調査からも明らかなように、本当に必要なのは、“出会いの場”をつくるもっと手前のフェーズ──すなわち、“恋愛力を磨くこと”だ。
交際経験のない20代男性が約4割に迫る今、自然発生的に恋愛力を身につけるのは不可能と言っても過言ではない。
もはや小学校の保健体育の授業では、性教育だけでなく、恋愛の始め方や育て方まで教えるべきではないか。そのほうが長期的に婚姻数の底上げにつながると筆者は考える。
出会いの場を創出するだけなら、あまりにも短絡的過ぎる。もっと本質的な“恋愛支援”に行政が本気で取り組むべきタイミングが来ているのだ。
とはいえ前時代的な婚姻制度の綻びが見え始め、不倫のニュースが絶えない昨今、結婚の優先度が下がっているのも事実。いずれ制度の見直しについても考えるタイミングが来るかもしれない。
──その話はまた、いつか。
取材・文/町岡マチ子
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