「とんとん拍子に女性とホテルに行くことになった」
事件直前、被害者の男性はそう周囲に語っていたという。
6月7日、名古屋市中区栄のホテルの一室で会社員の男性（32歳）が首を絞められて殺害されるという凄惨な事件が起きた。名古屋県警は、強盗殺人容疑で名古屋市中川区の無職・加藤怜音容疑者（20歳）を逮捕。６月11日には加藤容疑者と一緒にいた19歳の無職の女も強盗殺人容疑で逮捕され、さらに波多野佑哉容疑者（23歳）も恐喝容疑で逮捕された。
当初、容疑者3人が企てたのは「美人局」による金品強奪だった。
「事件が起きたのは6月７日の深夜です。まず、被害男性と19歳の女が中区の繁華街で合流し、近くのホテルへと向かいました。その後、女がなんらかのトラブルを起こし、駆け付けた加藤容疑者と被害男性が言い争いになり、首を絞めて殺害したとみられています。
その際、加藤容疑者は男性の腕時計を奪い、逃走していました。犯行時間はわずか15分です。また波多野容疑者は現場には現れておらず、指示役として美人局を主導した疑いがもたれています。県警は3人の認否について明らかにしていません」（全国紙社会部記者）
事件発生直後から愛知県警は捜査本部を設置。夜通しでの捜査に当たった。「美人局」が犯行の発端となったことを証明するために重要な証拠となったのが、防犯カメラの映像だ。
現場近くの施設関係者はこう語る。
「事件当日となる7日の時点で、刑事さん数名が『防犯カメラを見せて欲しい』と聞きにきた。周囲のビルなどにも映像確認を求めていました」
捜査員が探していたのは「金髪の女」だったという。
「逮捕された19歳の女は金髪。それをヒントに県警は７日の深夜に事件近くを歩く19歳の女と被害男性の映像を入手し、決定的な証拠として逮捕に動き出した」（前出・社会部記者）
現代ビジネスは当該の防犯カメラの映像を入手した。
７日午前0時30分頃、被害男性と女が歩く姿が映し出されている。動画で男性はしきりに女性に話しかけるなど楽しげな雰囲気だ。しかし、7日午後、ホテルで発見されたのは無残な姿だった――。
「その後の捜査で指示役であった波多野容疑者と、加藤容疑者の間に金銭トラブルがあったことが浮上。県警は、波多野容疑者が自分の知人だった19歳の女と加藤容疑者を引き合わせ、被害男性に『美人局』を仕掛けさせたと睨んでいます」（前出・全国紙社会部記者）
カネの得るために美人局を計画し、抵抗された末に男性を殺害するというあまりに短絡的な犯行劇。3人の容疑者たちに一体何が起こっていたのか。事件の全容解明が待たれる。
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