コメが高値で転売されることを規制するため、政令が改正された。
【映像】農家のホンネ「儲かってると思われてるが…」
コメを購入価格よりも高く転売すると違法となり、違反者には1年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金が科される。小泉農林水産大臣は、安価で販売される随意契約の備蓄米は特に転売のリスクが高いため、緊急措置に踏み切ったとしている。
これからのコメ価格・政策はどうなるのだろうか。日本産のコメを世界に輸出する「百姓市場」の代表・長谷川有朋氏に話を聞いた。
長谷川氏によると、コメ農家の現状として、「2000円のコメでは倒産する農家が増える」「米価の高騰で儲かっているんだろうという考え方は排除してほしい」などの声が上がっているという。
また、「備蓄米が放出され2000円で並んだことにより、さらに銘柄米の価格が下がるか」という点について長谷川氏は「下がりはしないのではないか」と推測する。
「新米の出来にもよるが、710万トンくらいは生産量が確保できそうだ。実際の需要が700万トン以下であれば、今の備蓄米の効果と生産されてくるコメである程度、需給バランスが整うと思われているが、それでも下がって3000円台中盤くらいではないかと思う」(「百姓市場」代表・長谷川有朋氏、以下同)
日本のコメ輸出について政府の目標を見ると、2030年までに35万トン、去年の約8倍となっているが実現は可能なのだろうか。
過去10年にわたりコメ輸出に取り組んできたという長谷川氏は「政府がどれだけ本気を持ってやるか」がポイントだと語った。
「4.5万トンの輸出に10年かかった。あと5年で8倍にしろという目標は、非常に高い目標だと思う。今、備蓄米が放出されているが、目詰まりの一つの原因が、精米する加工工場がないなどの問題。年間で35万トン輸出するとなると、誰が保管・加工・精米をして、どう輸出していくのかという問題がある」
最後に、今後のコメ政策で重要なポイントとして、長谷川氏は以下のように語った。
「一般の消費者の方、生産農家の方、サプライチェーン上に介在する多くの利害関係者の方々が納得のいく形を作るのは非常に難しいが、一つ一つ問題に対してタックルしていくことができればいいと思っている。課題から未来に向けて何ができるのかを、もっと前向きな議論をしていきたい」
(『ABEMAヒルズ』より)