《ラーメンを食べようとしたらウジ虫が…》「来来亭」の異物混入騒動、専門家は“ニクバエ”と推察「チャーシューなどの動物性食材に惹かれやすい」

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全国に200店舗以上を展開する大手ラーメン店チェーン「来来亭」は6月10日、浜松幸店を無期限営業停止することを決定した。公式ホームページで、〈異物混入が発生いたしました〉と謝罪している。
【写真】「ニクバエか」物議を醸す動画〈虫のようなものが混入したラーメン〉
SNS上では、「来来亭」で撮影したとする動画が騒ぎになっている最中だった。6月9日にX(旧Twitter)に投稿された同動画は、ラーメンに入っているチャーシューの上を小さな虫のようなものが数匹這っている様子を捉えたもので、〈昨日来来亭でラーメンを食べようとしたらウジ虫が…お気に入りの店だったので残念です〉というコメントが添えられていた(すでに削除済み)。
現時点で、チャーシューの上を這う虫の正体は、一体何だと考えられるか。害虫駆除や異物混入防止対策を手がける東洋産業に取材したところ、「ニクバエの仲間による混入が考えられる」との回答が得られた。
「動きや色合いから、ハエの幼虫(ウジ)の可能性が高いと考えられます。一般に高温に弱く、50度を超えるようなところでは生き残れませんので、調理中に混入することは考えにくいです。ラーメン全体に熱が通るより前に混入した可能性が高いですね。
具材の原料で、ウジということであれば、可能性が高いのは、ニクバエの仲間です。ニクバエは成虫が8~14ミリほどある比較的大きなハエです。チャーシューなどの動物性食材に惹かれやすく、食材が傷んでいなくても寄ってくることがあります」(東洋産業の担当者)
ニクバエは、卵を体内で孵化させて、幼虫を産み付ける“卵胎生”の虫だ。東洋産業の担当者によると、異物混入防止において、この卵胎生というのが厄介なのだという。
「産みつけられるウジは2ミリほどと、肉眼でも確認しやすいサイズです。最大で10~20匹ほどの幼虫を一度に産むため、調理中や提供後のラーメンにいきなりウジが紛れ込む可能性があるのです。
今回のようなケースでは、調理中よりも、提供直前や提供後まもなくハエが寄ってきて産みつけた可能性が高いでしょう。つまり、厨房やホールでほんのわずかな隙間時間に混入が起こることが考えられます。
ただし、同じ商品を同時に複数のお客さまに提供している場合、チャーシューを切ったまま放置しているなどの状況がなければ、同時多発的な混入は起こりにくいともいえます」(同前)
ニクバエの幼虫を飲み込んでしまった場合、健康を害するリスクもある。
「ニクバエは動物の死骸や糞にも集まるため、食中毒菌を媒介するリスクがあります。
また、ウジは体外消化のため、消化液を出して周囲を溶かしながら食べる性質があります。万が一誤って飲み込むと、ウジが内臓壁を攻撃し、腹痛などを引き起こす『消化器ハエ症』という症状が出るケースも知られています」
ほんのわずかな隙にハエが幼虫を産みつける可能性があるからこそ、消費者側も食事中、“ハエが寄ってきていないか”に注意する必要があるという。
もちろん、今回の異物混入がニクバエによるものだと確定したわけではない。しかし、幼虫を直接産みつける虫がいると知ることは、今後起こりえる異物混入を未然に防ぐことにも繋がるはずだ。
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