コメの価格高騰と備蓄米の放出を巡る一連の対応で、連日メディアを賑わせている小泉進次郎農水相に、まさかの「二枚舌」疑惑が浮上した。
小泉氏は2025年5月29日、農水省が主催した備蓄米の試食会に参加。新たに放出される2021年産の「古古古米」を含め、2024年産まで4年分のコメで作られたおにぎりを食べ、その味を比較した。「どれを食べてもおいしい」と語り、2021年産のコメについても「そこまで(味などの違いを)感じなかった」と太鼓判を押していた。
しかし、X(旧Twitter)では、2015年11月に備蓄米の試食会に参加した小泉氏の発言が見つかり、物議を醸している。試食会を報じた産経新聞の記事によると、当時、自民党で農林部会長を務めていた小泉氏は2010年産と2013年産の備蓄米のおにぎりを試食。食べ比べた後に「作った人のことを考えると古米もうまいが、やっぱり新米がおいしい」と発言していたことが報じられている。
この発言の変遷にXでは多数のツッコミが発生。「味の感想すらパフォーマンス」「大臣という立場上、不味いとは言えないから仕方ない」「O157騒ぎの時のカイワレ大根を食べてるやつと同じだなと」「備蓄米と味が変わらないと言えば言うほど、これまでたいして味が変わらない米を高い値段で買わされてたという事実に早く気付いたほうがいい」など、呆れた反応が相次ぐ。
小泉氏の発言の矛盾は過去にもあった。昨年の自民党総裁選出馬会見の際、フリーランスの記者から「この先、首相になってG7に出席されたら『知的レベルの低さ』で恥をかくのではないかと」と、やや失礼な質問をぶつけられた際、小泉氏は「私に足らないところが多くあるのは事実だと思います。そして完璧ではないことも事実です。しかし、その足りないところを補ってくれるチーム、最高のチームを作ります」と余裕の回答を披露して話題に。
しかし、自身の公式サイトには「短所:集団行動が苦手なところ」と記されているのが見つかり、SNSでは会見での「最高のチームを作る」発言との矛盾を指摘する声も出ていた。
小泉氏は5月30日、自身のXに「備蓄米の試食をしましたが、これが食味計による測定結果です。ご参考にして頂ければ」と投稿。2024年産のコメと比較し、備蓄米は「劣化が感じられない程度の差」だと記した画像を添付し、自身の舌に間違いがないことをアピールした。
この投稿には「あんまり変わらないんだな」「意外とちゃんと数値出すんだ」と納得する声がある。
一方で「実際、食べてみないとなんとも…」「備蓄米に頼らず、安定して供給できるようにしてくれよー」「いつも料亭で最高の新米食べてる人に言われてもなぁ…」との反応も。さらには小泉氏の添付画像では2023年産のコメの方が2024年産よりも「品質評価値」が高く出ていることに、「古いコメが数値が良いのは、なぁぜなぁぜ?」とデータの信用性を疑う見方も出ている。
小泉氏といえば、若手時代は演説の巧さを評価する見方があった。だが、2019年に環境相に就任直後、国連本部での「セクシー」発言が激しくスベり、その発言の意味を報道陣に問われると「説明すること自体がセクシーじゃないよね」と、さらに謎の回答を披露。発言の意味が国会でも取り上げられるなど怪しい雲行きになった。その後はSNSで「進次郎構文」が誕生するなど、すっかりネットミームとなってしまった感がある。
10年で味覚が変わったのか、それとも立場の変化から「二枚舌」に変わってしまったのか。不用意な発言が新たなイジりネタにならないようにしたいところだが…。