JR中野駅、乗降多いのに「エレベーターがない!」 26年末に設置予定…こんなに時間がかった理由とは

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東京都中野区内にあるJR中央線・中野駅の構内にエレベーターがないことがXで取り上げられ、ベビーカーなどで利用するのに不便だと指摘されている。
中野駅は、東京メトロ・東西線も乗り入れ、首都圏でも、1日の乗降客が多い方だとされる。区によると、2026年末には、駅舎が改良されてエレベーターが各ホームへ計4基設置されるが、なぜ今までなかったのだろうか。
「流石にびっくりした」「古い駅あるある」――中野駅にエレベーターがないことは、25年5月25日にXで投稿があり、関心を集めた。
ベビーカーや車イスを利用するときに困ってしまうのではないかとして、バリアフリーの観点から問題だとされた。駅舎が手狭なことが理由ではないか、といった推測も出た。
もっとも、以前から、ネット上では話題になっていたようだ。「中野駅」「エレベーター」で検索すると、「何故JR中野駅にはエレベーターがないのか」と独自の考察を試みたブログなどがヒットする。
エレベーターがないことについて、JR東日本首都圏本部の広報課は、J-CASTニュースの取材に対し、その事実を認めて、「駅の構造上、エレベーターの整備が難しかったからです」と説明した。なぜ整備まで時間がかかったのかについては、回答が得られなかった。これまでにどんな意見が寄せられたのかについては、「お客様の声は、苦情を含めて回答を控えさせていただきます」と述べた。
ベビーカーや車イスの利用者への対応については、「お客様によって時間が違いますが、エスカレーターを数分ほど利用者専用にして、駅員が案内しています。階段脇のスロープには、電動リフトも用意されており、こちらも駅員が要望に応じています」とした。
今後は、駅の改良工事を経て、15人乗りのエレベーターが4基、26年中に設置される予定だという。
なぜ今までエレベーターがなかったのかについては、中野区の中野駅周辺まちづくり課が、次のように取材に説明した。
エレベーターがないことについて、「区民の声」として、毎年のように設置の要望が何度か寄せられていたという。
区によると、14年にJR、東京メトロと基本協定を結び、20年から駅舎本体の改良工事が進められている。駅の西側にビルを増設して西口の改札を新設し、そこから4つあるホームにエレベーターで上れるようにする。駅ビルは、ショッピングセンター「アトレ」になる予定だ。
ただ、旧駅ビルと北口、南口の改札はそのまま残り、北口と南口の改札内からは、これまで同様にエレベーターは使えない。
エレベーターを使うには、南口からは、信号のある横断歩道を渡って、西口に行く。北口からは、エレベーターでペデストリアンデッキに上がって、デッキを渡って西口に回らないといけない。
つまり、旧駅舎の構造は変わらず、北口、南口からホームに上がるには、依然としてエスカレーターか階段を使うしかないわけだ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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