宮内庁職員が天皇ご一家の生活費である内廷費を窃取した前代未聞の事件。同庁は事件の矮小化に躍起で問題職員の性別すら明かさないが、本誌(「週刊新潮」)は独自に職員を特定し、その祖母に話を聞いた。彼女が沈鬱(ちんうつ)な表情で語った、孫の人生と天皇ご一家との特別な関わりとは。
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【写真を見る】「愛子さまと花火をする写真を見せてくれた」 360万円を盗んだ宮内庁職員(25)
宮内庁がある重大な事案を公表したのは今月1日のことだ。
「宮内庁は天皇ご一家の日常の生活費にあたる内廷費を盗んだとして、20代の係員級の侍従職を1日付で懲戒免職にしたと公表しました。侍従職の40代の課長補佐級職員も、適切な管理を怠ったとして減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと併せて発表したのです」
とは宮内庁担当記者。
「1日の午後3時に秘書課長がレクを行い、事案が明るみに出たのですが各社、完全に寝耳に水の状態でした。“御手元金”とも呼称される内廷費の窃盗事件は、宮内庁発足以来、初めてのことです」(同)
宮内庁は問題職員の性別すら明らかにしていないが、ことは国民の血税に関わり、隠蔽(いんぺい)など許されるはずもなかろう。本誌は今回、問題職員の特定に至った。その人物は25歳の男性の侍従職である。宮中では「内舎人(うどねり)」という役職にあった。本稿では以下、山崎永太(仮名)と呼称する。
「永太は私の孫です。優しい子で、息子のように育てた自慢の孫でした。テレビで事件を報じていますよね。本当に私は悪い夢でも見ているような感じで。まだ、私自身、受け止められないというか……」
そう声を振り絞るのは、東京郊外の一軒家に一人で暮らす山崎の祖母である。
「4月18日、突然、永太から電話がかかってきて、“おばあちゃん、休みが取れたから行くね”と。翌19日の昼ごろかな。永太が、一人でリュックサックを背負って家に来たんです」(同)
ほどなくして、祖母は孫の様子がおかしいことに気が付く。
「私が家の中を動き回ると、私にべったりくっ付いて歩いて回るんですね。子供の時から一緒だから、“なんか言いたいことがあるのかな”とは感じました。でも、なかなか言わなかった」(同)
しかし、山崎は帰り際に突然、かしこまって座り直し、
「“僕、宮内庁から出向になる”と言うんです。“出向先で働きたくないから、仕事を変える”と。“IT系の仕事を探している”とも言っていました。私は、“せっかく周りからもよくしてもらっているのだから、出向と言われたのなら、そこでしっかり働きなさい”と伝えたんです」(同)
彼がその場で真実を伝えることはなかった。代わりに、祖母には次のように説明していたのだという。
「永太は“350万円の借金がある”と言っていました。だからこそ“仕事を変えて返す”とも。しまいには“借金を返すためにバイトしたい”なんて言ったり。“バイトで返せる金額じゃない”と諭したのですが、“おばあちゃんには関係ないよ。大丈夫だから、心配しないでね”と。350万円なんて借金、どうやって作ったのだろうと思ったのですが……」
山崎の仕事ぶりと天皇ご一家との関わりについてはこう振り返る。
「永太は天皇陛下の間近でお仕えして、本当にかわいがってもらっていました。これは何年か前の新嘗祭(にいなめさい)の時の写真です。儀式のために天皇陛下が会場に入って来られる前に、こんな格好をして、灯明をつける役目を任されたんです。天皇ご一家が那須の御用邸で静養された際も随行していたという話で、愛子さまと花火をしている写真も携帯で見せてくれたことがあります」
なぜ道を踏み外したのか。本人に電話で質したが、
「すいません、報道の通りでございます。お話しできることはございません」
と、繰り返すのみ。
盗んだ金の使途が気になるが、この点、祖母は、
「恋人の話なんて聞いたことがないし、趣味といえば、アイドルの“追っかけ”と言うのかしら。イベントがあると、休みを取って行っていたみたい。乃木坂とか何とかっていう。コップやのれんなど、たくさんグッズも買っていたようです。ただ、最近は『忙しくてそんな(追っかけする)余裕ないよ』と言っていましたし、さすがに、アイドルに使うために役所の金に手を付けたはずはないと思うのですが……」
5月8日発売の「週刊新潮」では、この職員の素顔と写真、天皇ご一家との関わりについて詳しく報じる。
「週刊新潮」2025年5月15日号 掲載