ラーメンに「G」混入で、客が激怒「金銭的補償を」 店は謝罪と食事券提供するも「心を逆なでされた」

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「有名ラーメンチェーンでゴキブリ入りのラーメンを提供されました。しかも、その後の対応が信じられないほど不誠実だったのです」――そんな怒りのこもった相談が、弁護士ドットコムに寄せられています。
相談者は、人気ラーメン店で、異物混入の被害に遭ったといいます。事件発生後、店舗側からは謝罪文とともに、ラーメン店の食事券が郵送されてきました。
しかし、相談者は「2度と見たくない店の食事券など、心を逆なでするだけ」と憤っています。今後は金銭賠償を求める方向で検討したいとしていますが、異物混入に対して、どのような金銭的補償を求めることができるのでしょうか。櫻井俊宏弁護士に聞きました。
──今回の場合、金銭的補償は求められるのでしょうか?
ゴキブリが入っていた以上、問題ない商品ではないと言えるので、券売機で代金を既に支払っていたような場合には代金相当額の返金は当然認められるでしょう。
問題はこれを超える金銭的補償を求めていく根拠となる損害が存在するかどうかです。
まず、ゴキブリ入りのラーメンが入っていたとしても、そのラーメンに口をつけていない場合はどうでしょうか。この場合には、ゴキブリが入っていたラーメンを見せられた、ということに過ぎないので、社会通念上、精神的損害が生じるとはいえず、金銭的補償を求めるのは難しいでしょう。
──もし仮に、口をつけてしまった場合には、どうなりますか?
これに対し、そのラーメンに口をつけた場合は話が変わります。その場合には、さすがに精神的損害が認められるものとして、ゴキブリが入ったラーメンを食べさせられたことによる不法行為に基づく慰謝料の請求の可能性があると思います。しかし、認められるとしてもその額はそこまで高額には至りません。裁判例に照らすと数万円程度の場合が多いでしょう。
更に、体調が悪くなったような場合は、その治療費や仕事に行けなくなった休業補償も請求できる場合があると思います。ただし、裁判等になった場合は、異物が入っていたことがその体調不良に繋がったという因果関係の立証は、簡単ではないと思われます。
このような被害に遭ったケースでは、すぐX等のSNSに投稿する人も最近多いですが、過度な内容を投稿して店の評判を低下させた場合には逆に多大な損害賠償を請求される場合もあると思うので、慎重に考えた方がよいでしょう。
一方、飲食店側としては、会社の存続に関わる問題なので、誠意ある対応をよく検討する必要があると言えます。
【取材協力弁護士】櫻井 俊宏(さくらい・としひろ)弁護士企業法務・交通事故・相続・離婚問題等を得意としている千代田区・青梅市の弁護士法人アズバーズ代表弁護士。中央大学の法律顧問(法実務カウンセル)を担当している。応援団出身であり現在監督。「弁護士 ラーメン」と検索すると自身のラーメンブログが一番上に出てくる程のラーメン通。事務所名:弁護士法人アズバーズ事務所URL:http://as-birds.com

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