1日使い捨てタイプの「ワンデーコンタクトレンズ」の使い方をめぐり、レンズを洗って数日にわたり再使用する人がいたと危機感を示すエピソードがXで話題になっている。実際、どのような問題があるのか眼科医に取材した。
Xでは「全然ワンデイ半年とか余裕で使うけど実際、なんか著しい影響あるんですかね…??」「つけっぱなし寝と洗って使い回しはだいぶ変わってくるよね?」「手洗いでなく酵素洗浄のつけ置きタイプなら良いかなって…」などと、危機感が薄いようなユーザーも散見される状況だった。
ワンデーコンタクトを洗って再使用することに問題はないのか。2025年4月22日にJ-CASTニュースの取材に応じた「あやし眼科クリニック」(仙台市)の伊勢屋貴史院長は、「眼科医としてはおすすめしません」との見解だ。
そもそもレンズ再使用で起こりうる主な病気としては、角膜炎や結膜炎を挙げた。角膜は0.5ミリほどと薄く、場合によっては角膜潰瘍や、ひどくなると穴が空く角膜穿孔(せんこう)になる可能性もあるという。原因はさまざまだが、細菌やウイルス、真菌、アメーバなどのいわゆる「バイキン」が付き、角膜の表面で繁殖することで起こると説明した。
カラコンに関しては、一般に販売されているような「高度管理医療機器」として認証されたものは基本的に色が溶け出すリスクは考えられないとした。ただ、レンズが着色されていることで、前出の病気で白目が充血したり透明な角膜が白くなったりしても、カラコンの色で見えなくなるケースがある。医師の診察時だけでなく、自分でも異変に気付きにくくなるとした。
洗って使えば問題がなくなる、というわけでもない。ワンデータイプと、2週間など使用期間が長いタイプでは作りが異なるためだ。伊勢屋院長は、自身はレンズメーカーではないと断った上で、詳しく説明した。
いわく、2週間タイプは毎日こすり洗いをする必要があるため、耐久性を考えてレンズが厚いといった特徴がある。一方でワンデータイプは薄くて柔らかく、「着けていて快適だけど繰り返し使う設定にはなっていない」という。
伊勢屋院長はコンタクトレンズの使い方について、
とも注意喚起した。ソフトコンタクトレンズには、目の表面に傷や炎症があったとしてもレンズ装着することで痛みを感じなくなる「バンデージ効果」があるという。「だからといって、外した時に痛いんだったら着けてはいけません」と呼びかけている。