【独自】「日本のアマルフィ」廃旅館が“心霊スポット化”ユーチューバーら不法侵入後絶たず…ついに火事も 風向明媚な港町で住民不安 和歌山市・雑賀崎

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“日本のアマルフィ”と呼ばれている、和歌山市にある風光明媚な港町・雑賀崎(さいかざき)にそびえたつ廃旅館で、トラブルが起きている。ネット上で心霊スポットとして取り上げられ、ユーチューバーなどの不法侵入が相次ぎ、ついには火事が発生する事態となった。近隣住民は治安の悪化に危機感を募らせている。
「イット!」取材班が向かったのは、和歌山市にある小さな港町・雑賀崎。
イタリアの世界遺産「アマルフィ海岸」に似ていることから“日本のアマルフィ”と呼ばれている。
問題の廃旅館は、海が見渡せる小高い丘にそびえ立っていた。
多くの客を運んでいた送迎バスは落書きだらけ。廃旅館の壁や窓ガラスにもびっしりだ。
屋上まで登ったのか、廃旅館の一番上にも落書きがされ、侵入した者の仕業なのか、客室の障子は破られている。
宿泊客を出迎えていた旅館の玄関の入り口には、土のうが敷き詰められていた。
さらに廃旅館のすぐ隣にある別の廃旅館も窓ガラスが割れ、フロントがあったと思われる場所は荒れ果てた姿になっていた。
これらの旅館は1950年代後半ごろに開業し、その後に所有者が亡くなるなどの理由で、20年ほど前に閉業すると、そのまま廃墟化したという。
近くの住民は「(廃虚を)若者たちが遊び場として使っていた」「キャーキャーとにぎやかになる。家の中にいても(声が)聞こえてきた」と治安の悪化に危機感を募らせており、不法侵入が後を絶たないという。
しかも、廃旅館はネット上で心霊スポットとして取り上げられ、ユーチューバーなどが相次いで侵入しているという。客室や、さらに卓球場や大浴場にも無断で侵入していた。
そして市が、廃旅館を立ち入り禁止にする中、とうとう2024年3月、廃旅館で火事があったのだ。
廃虚は煙に包まれ、警察は現場に火の気がないことから、不審火とみて捜査している。
日本のアマルフィに立つ廃虚旅館。雑賀崎地区の自治会長は、昔のような絶景に戻ることを望んでいる。
雑賀崎地区連合自治会長・寺井節次さん:青い海やきれいな町並みを、昔のように復活してもらったら、観光客も増えるでしょうし。それが一番の望みですね。
和歌山市は旅館の所有者に行政指導を行い、改善計画の提出を求めている。(「イット!」 4月4日放送より)

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